ドロドロの嫉妬は、キラキラのコンパスになる。
え、ずるい。
あなたばっかり心配されて。
あなたばっかりひいきされて。
あなたばっかり得して。
そんなふうに思ったときは、自分について知るチャンスだ。
ずるいというちょっとドロドロした感情には、いろいろなものが混ざっている。嫉妬だったり、理想の自分だったり、嫌いな今の自分だったり。
それをしっかりと分析して分けることで、ドロドロとした感情は、キラキラした自分へのコンパスになる。
まず、「何が」ずるいと思うのかを考える。
たとえば、大げさに褒めることでサッカー部の先輩から気に入られ、試合のメンバーに選ばれた子を、ずるいと思ったとする。
そうしたら、「なぜ」ずるいと思うのかを考える。
私はたくさん努力をしてなんとかメンバーになったのに、大した練習をせず褒めるだけで楽にメンバーに選ばれたからずるいと感じる、のかもしれない。
次は、なぜ真似しないのかを考える。そっちの方が楽だと思うなら、自分も先輩を褒めて楽にメンバー入りをすれば良いだけの話ではないだろうか。
たしかに真似をすればいいなとすぐに思えたのなら、真似をしよう。賢い生き方を他人から学ぶことは大切だ。
でも大抵の場合、なんだか真似をしたくないと思う自分に出会うはず。
楽にメンバーに入れていいなと羨む自分と、なんだか真似をしたくないと思う自分。矛盾している自分。
ここまできたら、ゴールは目の前だ。
「なぜ」真似をしたくないのかを、考える。
楽をしてメンバーに選ばれても、サッカーが上手にならないなら意味がないと思うからかもしれない。
ズルをしたら自分を嫌いになってしまうからかもしれない。
先輩を気分良くさせるほど、人を褒めるのが上手な自信がないから、そもそもできないのかもしれない。
「しない」理由を見つけたあなたは、きっとずるいという感情を前ほど感じなくなっている。
できるけどしないという行動を、あなたはわざわざ選んだのだから。
そっかあの子は楽に試合に出る方法を選ぶんだな、わたしはきちんと練習する方法を選ぼうと考えて、自分の道を自信を持って進める。
そこで相手を否定する必要はない。それぞれの選択には良さと悪さがあって、どっちを選ぶかは個人の好みだからだ。一番簡単な方法で試合に出て、その節約した時間を使って勉強や趣味に時間を使うのだって、立派な選択だ。大切なのは、自分が一番満足する選択をするということ。
一方で、しない理由ではなく「できない」理由を見つけたあなたは、自分が何を頑張ればいいのかが分かったはずだ。
人を褒めることで、相手との仲を深められる人になりたいと思うのなら、その練習をすればいい。
そう思ったら、ずるいと嫉妬の目で見ていた相手は、たちまち先生になる。
先輩のことをどう観察して、どんな言葉を使って褒めているのか。なりたい自分に近づくために、たくさんのことを学べるはずだ。
こうやってドロドロしたずるいという感情も、未来へのコンパスになる。憎んでいた相手も、先生になる。
出会う人全員を好きになる必要はないけれど、嫌いな人がいたっていいと思うけれど、何かをキラキラさせるチャンスがあるのなら、しっかり活かしていきたい。
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