小学生の頃の夏休みに、少し戻りたくなった。
夏休みのことを色々考えていて、私が小学生の頃どうだったかなと思い返してみた。
うちは共働きだったので、妹と二人で留守番していたと思う。
リビングだと電気代がもったいないから、小さめの両親の寝室にクーラーをかけて、宿題をしたりビデオを見て、日中過ごしていたはず。
思うとか、はずとかをつけてしまうくらい、曖昧な記憶の中に、二つ鮮明な記憶がある。
一つ目は、妹のチャレンジの付録でついてきた、おもちゃを作ったこと。正しくは、作るのに失敗したこと。
妹は小学一年生で、私は小学三年生だった。
紙をのりが混ざった水に入れて振り、繊維状にしたところでカブトムシの肩に流すと、紙のカブトムシができるという工作セットで、妹に一緒に作って欲しいと頼まれた。
私が説明書を見て、妹が作業を進めていった。
そして妹が紙と水が入ったボトルを振っているとき、事件が起こった。
何回振ったかを数えていなかったのだ。
説明書には100回と書いてあった。振り始めてから数分は経っていたけれど、「はっ」とその間違いに気づいた私は素知らぬ顔で「今からあと100回くらいで終わりにしようか。」と妹に告げた。
それでも不安だったので、もう100回と、念には念を入れた。
結果は、繊維が細かくなりすぎて、紙のほとんどが水と一緒に流れ、カブトムシは作れなかった。
「あれーなんでだろう?」とか言いながら、振りすぎたなあと心の中で猛反省していた。妹は全然気にしていなかったけれど、あの時からだいぶプライドが高かったんだなあ。
そんな夏休みの記憶。
ちなみに二つ目の記憶は、仕事から帰ってきたお母さんがレジ袋を持って、「ただいま〜」と私たちが待つ部屋に入ってきたところ。
あの袋にはアイスでも入っていたのかな、すっごく嬉しい気持ちと一緒に覚えている。
小さい頃の記憶って、たまに思い返してみると、なんでここ?みたいな変な映像だけ残っていて面白い。
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