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人生は、キットカット。

目の前のことすべてが、ちっぽけで、どうでもよくて、わたしは何をやっているんだろうと思うときがある。

Youtubeで、「宇宙旅行 3分」と検索してみてほしい。地球からどんどん遠ざかり、宇宙の果てまで行くシミュレーション動画が、たくさん出てくる。

地球を離れて、太陽系があって。その太陽系から離れてしばらくすると、シリウス、ベガとか知っている星を全部含んだ、天の川銀河系まで辿り着く。それでも、宇宙の果てへの旅は終わらない。さらに地球から離れていくと、星がたくさん詰まった銀河系が、また夜空に光る星のように、いくつもいくつも広がる。

そんな三分宇宙旅行をすると、目の前に広がる全ての悩みが、小さく見える。夜空に広がる星が全て詰まった銀河系が、さらに星の数存在する宇宙で、私たちは何をしているんだろう。天使が空から現世を眺めるみたいに、不思議な俯瞰者の気分になる。


そうはいっても、私は天使ではなく小さな地球に住む人間だ。宇宙まで飛んでいた意識が私の中に戻って来れば、机に積まれた宿題も、人間関係のトラブルも、人生の悩みも、とても大事で重い問題に戻る。

私は私に戻って、また目の前に問題に取り組む。

うん、それがきっと、ちょうど良い。


ずっとずっと目の前の問題を大きいものだと思って取り組むより、たまに宇宙と比べて、そんなに大したことないんだって思った方が、ゆっくり長く頑張れる。

でも、ずっと宇宙にいてあぐらをかくより、目の前の、ちっぽけだけれど自分にとって大事なもののために、一生懸命になった方が楽しい。

宇宙から帰ってきたあとや、悩んで寝て起きて、気分がすっきりした後は、「なんかもう、頑張らなくてもいっかな」と思いそうになる。このままでも、なんとかなりそうだし、宇宙に比べたら小さな問題だしって。

そうやって、悩んで忘れてを繰り返しても良いんだけれど。でもどうせ悩むのなら、きちんと考えて、一歩進みたい。

自分のダメさを実感するのは、たくさんエネルギーを使うけれど。でも宇宙は宇宙、わたしはわたし。宇宙にとっては小さな変化でも、わたしにとっては大きな一歩だ。

SEKAI NO OWARIの「プレゼント」という曲に、こんな歌詞がある。

人生のこと
あまりに問題ばかり起きるから
難問解決プログラムなのかと思っていたけれど
気づいたんだ
プレゼントみたいなものなんだって
何十年か好きに生きていい特別なプレゼント

大したことなくて、でも自分にとっては大ごとなわたしの人生。それを気軽に、でも大切に捉え続けるのは、誰かからプレゼントされたものが自分にとって特別大事なものになる感覚とも、似ているかもしれない。

ただのキットカットも、思いを込めてプレゼントすれば、入試で実力を出すためのお守りになるみたいに。

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