「いつも暇そうだね」は褒め言葉。
いつも暇そうだね、と言われる人でいたい。
社長は暇な方が良いという言葉がある。社長が暇だということは、会社が上手に回っているということだからだ。
社長であるか否かにかかわらず、暇でいるということは、一番優しいことなんじゃないかなと思う。
確かに、いつもあくせく働いて忙しそうにしている人の方が、頑張っているようにみえる。
目の前に困っている人がいたら片っ端から手を差し伸べて、限界という状態まで人助けをし続けるというのも、素敵なことだろう。
でも私が慕うのは、いつも暇そうな人であることが多い。
暇でいるということは、余力があるということだ。
二週間前に予定を入れないと会う時間をとってもらえない人、とってくれたとしても、何か別のやるべきことを犠牲にして自分に時間を使ってくれているとわかる人。
それと、暇そうで、三十分くらいなら時間を使っても大丈夫かなと思わせてくれる人。
何か相談事があったら、私は後者に頼る。
暇そうだからといって、暇とは限らない。実は、私の相談に乗るよりも、ずっとずっと大切なやらなければいけないことがあるかもしれない。
それでも、私を助けてくれて、かつ負い目を感じさせもしない。こんなに優しいことがあるだろうか。
本当は、見た通りただただ暇で、忙しかったら助けてくれないのかもしれない。
忙しい中だれかを助けた方が、「自分のためにわざわざ時間を使ってくれた!」と感謝されるかもしれない。
それでも、相手に申し訳なさを感じさせて恩に着せるより、ふらっと寄ってさっと立ち去れる、コンビニくらいの気軽さで誰かを助ける方が、かっこいい。気軽に相談できる分、より多くの人を助けられる可能性だってある。
しかし、実際に暇でいるためには、自分の限界を把握したり、自分が本当にできるようになりたいことだけを選んで努力する能力が必要で、意外と難しい。
だから、暇そうな人がいたら、いつも暇そうだねと褒めてあげてほしい。皮肉に捉えられないよう、まっすぐな目と説明付きで。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?