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ドラマ『ひだまりが聴こえる』第10話/佐川源治(じいちゃん)の言葉

テレビ東京ドラマ『ひだまりが聴こえる』第10話から、刺さった言葉(太字部分)と、そこに至るまでの会話を残します。


太一と航平

太一「あのさぁ航平」
航平「何?」
太一「俺が大学辞めるって言ったらどうする?」
航平「えっ?」
太一「いや、やっぱ今のなし!」
(略)
航平「なんで辞めるとか……」
太一「まぁそれはなんつーかぁ……こういろいろと……うん……やりたいことがわかったっていうか」
航平「やりたいこと?」
太一「うん。で、そっちに意識が行ってたら、変なこと言っちまった。わりぃ」
航平「……」
太一「それにほら、航平のノートテイクだってあるしさ。俺が居なきゃ困るだろ?」
航平「…困らないよ」
太一「えっ? いや、だって……」
航平「学生課からも言われてるんだ、専門科目も多くなるから正式なノートテイクを依頼した方がいいって」
太一「だって『他の奴じゃ嫌だ』って……」
航平「やりたいことがあるんでしょ?」
太一「……」
航平「俺のことは気にしなくていいから、太一の好きなようにしなよ」
太一「でも……俺が引き受けたんだから俺がやるよ!」
航平「だからいいって」
太一「でも……」
航平「……俺は、…もう大丈夫だから」
太一「……」
航平「俺はもう太一が居なくても平気だよ」
太一「……」
航平「……」
太一「…なんだよそれ……
ああそうかよ、わかったよ、好きにすりゃあいいんだろ? 悪かったな、余計なお世話で」
航平「……」
太一「…お前は……お前はもう……」
航平「太一?」
(太一、慌てて去る)


太一と源治

太一「なぁじいちゃん、俺が大学辞めるって言ったらどうする?」
源治「どーもしねーよ!」
太一「え?」
源治「勝手にしろぃ」
太一「は? 止めたり怒ったりしねーのかよ」
源治「怒られるようなふざけた理由で辞めるのか」
太一「ちげーよ!」
源治「テメェの稼いだ金で通ってんだ、テメェが好きなようにしろぃ」
太一「けどぉ、それってやっぱ勝手だろ?」
源治「あ?」
太一「せっかく友達が頼ってくれたのに、自分の都合で振り回してばっかでさ」
源治「なんでぃ、それが理由でダチとケンカでもしたってか?
そのダチともあと2、3年もすりゃあ卒業して、一旦はオサラバするんだぜ。
中坊じゃあるめぇし、甘ったれてんじゃねぇーよ」
太一「別に俺は!」
源治「どんな奴とだってなぁ、いつまでもぉ、同じ場所に居られやしねぇんだよ。
オメェはホントに寂しがりやだよなぁ、いつまでもガキのまんまでよぉ」
太一「誰がだよクソジジイ!」
源治「ハッハッハッハッ」
太一「(笑)」
源治「そういうところはあのバカ息子そっくりだなぁ」

源治「なぁ、太一、何かを選ぶ時はな、『寂しい』を理由にするのは止めろよ。
人ってのは寂しいと、テメェの足元すら見失っちまうんだ。そうやって間違えた道を進んじまう。
オメェはぁ、足元を照らしてくれる、明るい道を行けよ。 な