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ことばの焚き火の広がり方〜部分は全体:もっとも個人的なことが普遍的なことである〜

「ことばの焚き火」がどう広がって欲しいかを話しているとき、一般的なマーケティングやら、宣伝やらは違う気がしていた中で、「描くとしたらこんな感じ」をことばにしてみたことがあった。そして、それが少しずつ現実化しているようでもある。もっとも個人的なことが普遍的なものにつながる。それが、可視化される時代になっている気がする。そう、あなたの個人の思いは、決して個人の思いではない。

○△□は、寒かった。地球温暖化とかで、気温は上がっているはずなのに、それと反比例するかのように、体が冷たい。冷たくて、固くなってくる気がする。

それでも、体の奥の方に熱い芯が感じられることがある。そして、その熱を感じながら目を閉じると、たき火を囲んで、みんなで輪になって、話をしているイメージが湧き上がった。

「そうだ、たき火をしよう!」○△□は、いても立ってもいられなくなり、仲間を三人集めて、たき火を始めた。たき火は最初が肝心だ。細い枝から、中くらいの枝、大きい枝と順々に火が移っていくように、丁寧に組まなければならない。最初をじっくり見ていないと、あっと言う間に火が消えてしまう。

火が育ってきた。たき火に薪を、ことばをくべていくと、少しずつ体が暖まってくる。ここまできたら、もっと仲間を呼んで来てもいいかもしれない。そして、声をかけた友達が、さらに薪を持ってきてくれて、火が一段と大きくなった。

たき火をするときは、どんどん薪をくべればいいってもんじゃない。空気の通り道がないと消えてしまう。だから、風の向き、空気の通り道、薪の大きさ、火の勢いを感じで、手入れをしていく。

風向きが変わって、煙を浴びたりしながら、みんなで笑いあったり、時にはしんみりとなりながら、薪を、ことばをくべて行く。体温が上がる。

もっと、仲間を呼んで来よう。自分たちだけで、たき火を楽しんでいても面白くない。一人一人が、さらに友達を呼んで来た。時に火の勢いが弱くなることもあるけれど、そこは大事に火と向き合って行く。

たき火はいつしかキャンプファイヤーくらいになって、遠くからも煙が見えるから、もっと多くの人が集まってきた。通りすがりの人も仲間になる。仲間が、仲間を呼んでくる。

すると、その大きなたき火から、火を分けて、他の場所でたき火をする人が出てきた。「あそこが寒そうだから、あっちでもやってみる」「私も、自分で一からたき火を始めてみたい」そうして、たき火はどんどん広がって行く。

そして、いつしか地球上のあちこちで、たき火ができて、みんな体の芯から温まってきた。

たき火にあたりながら、人は言う。「誰がたき火を始めたんだっけ?」「いやあ、誰だろうなあ。誰だっていいじゃないか。温かいんだから。」そう言って、にっこりと笑い合いあうんだ。

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