中日新聞が愛知県内で発行する地方版、愛知版について紹介します
中日新聞では、平日4ページの地方版を掲載しています。
県内を8つの地域に分け、
☆市民版・市民総版(名古屋市内)
☆なごや東版・なごや東総版(名古屋市の東側、瀬戸市・尾張旭市・長久手市・日進市・豊明市・東郷町)
☆尾張版・尾張総版(一宮市・稲沢市・岩倉市・北名古屋市・江南市・あま市・津島市・愛西市・弥富市・清須市・蟹江町・大治町・飛島村)
☆近郊版・近郊総版(春日井市・犬山市・小牧市・扶桑町・大口町・豊山町)
☆知多版・知多総版(東海市・大府市・知多市・常滑市・半田市・東浦町・阿久比町・武豊町・美浜町・南知多町)
☆西三河版・西三河総版(岡崎市・知立市・刈谷市・安城市・高浜市・碧南市・西尾市・幸田町)
☆豊田版・西三河総版(豊田市、みよし市、総合版は西三河地域と同じ)
☆東三河版・東三河総版(豊橋市・豊川市・蒲郡市・田原市・新城市・設楽町・東栄町・豊根村)
それぞれの地域に届ける子版と呼ばれる地方版と、県内全域に届ける県内版・県内総版の組み合わせで計16ページを作っています。
初めて愛知版の担当になったとき、「え?こんなにあんの?」と、この地方版の種類の多さに驚きました。
ここまで細分化された地方版もなかなかないだろうと思います。ほぼ名古屋市と思っていた愛知県(わたしは岐阜県出身です)は、とても広く様々な顔を持っていたんですね。
近所の火事やひったくり、ニセ電話詐欺被害などどんな地域にも共通する事件事故や展覧会から、市民版なら名古屋市内のリサイクルステーションの日程、東三河ならダムの貯水率の定点観測や豊橋の青果市場相場、三河湾の漁獲量の話、知多なら山車といったふうに、地域と読者の生活に密着した「え?こんなことも載ってんの?」という細やかな情報を掲載しています。
ここ最近では県内版に新型コロナの市町村別新規感染者数を毎日載せています。この表は、県や各市町村が発表する数字と毎日照合しています。
以前紹介した本版とは違い、愛知版は締め切りが一回きり、しかも全版ほぼ同時刻です。毎日デスクが1人付き、16枚の大刷りすべてに目を通します。
本版との大きな違いとして、大刷りが届いてから降版するまでの時間があります。本版は、大刷りが届いてから数分で降版してしまいますが、地方版は降版までに1時間以上の時間があります。
面担と呼ばれる面の担当者が原稿を校閲し、大刷りも校閲します。原稿を校閲する段階で、日付、固有名詞、地名、電話番号などを確認できる範囲で確認します。
本版校閲の仕組みはこちらに↓
大きなニュースを扱う本版と、地域のニュースを扱う地方版ではニュースの中身が全く異なるので、確認する内容も違ってきます。
地方版で最も頻繁に確認するのは地名です。地名は出てくる数が多いうえ、間違っていれば必ず訂正になります。地図帳を開かない日はありません。
毎日昼過ぎに出社して、県内各支局からの原稿が届き、整理部が見出しを付けレイアウトして、19時半ごろから大刷りが届き始めますが、そのあたりからは時間が一気に過ぎてしまい、降版した後はほとんど記憶喪失です。
デスクに入った日、降版時間までにすべての面を読み終えることは、まずできません。
今日こそは、と思いながら頑張っています。
この記事を書いたのは
亀井 美沙
2004年入社。名古屋本社校閲部。2016年から校閲部愛知版を担当。岐阜県八百津町出身。郷土の偉人は日本のシンドラー、杉原千畝。いまの時季は栗きんとんがおいしいです。大学進学と同時に名古屋へ。人生の半分以上を愛知県で過ごしています。