また、読みにきたくなる。【涙鶴けんいちろう】
脳髄に直接響くギガスパークで更新告知もお手のもの。シビれる通知で七色の物語をアナタにオトドケ。
私が読んだ本の紹介レビューです。漫画や、サポート金で買わせて頂いた本(サポ読)の紹介をさせて頂きます。
銀座の何処かに居を構える人生相談所、を開店する気なんてないのだけれど。 人魚でもユニコーンでもかかってこい。酒飲ませて寝かせりゃ悩みなんて一発よ。
土日は妻とのセックスを欠かさない。 出会ったのは大学のアカペラサークル。 それまでとても女性的な女の子ばかりに惚れていた俺だが、 サークルで出会った妻を見た瞬間に脳に電撃が走った。 その時の妻はかなりのショートヘアだった。 女性的というよりも中性的な外見だったが、 俺の目玉に自動追尾機能がインストールされたのか、 気付けば当時の妻を常時目で追っていた。 妻は、まあその時はまだ他人だった訳だが、 妻は本当に良く笑う女で、 それまで惚れてきた相手とは全く違ったタイプだった。
先日、話題の渦中、小泉進次郎氏に関するこんな話が目に入った。 『小泉進次郎 年金80歳』 言葉のインパクトに誘われてXのトピックを開いてみると、 出るわ出るわ進次郎氏に対する罵詈雑言。 トピックの字面を『氏が年金の受給開始年齢を80歳まで吊り上げる方策を予定している』と読んだ人達の怒りでタイムラインは満ちていた。 実はこの話がXのトレンドに上がる少し前、 或る記者が失礼な質問を進次郎氏に投げかけた際の対応に、氏の人物的評価は上がったばかりの事だった。 この氏に関する話題
この村には不死の男が居ると言う。 話を聞きに行くと寝たきりの老人だった。 「おいくつですか」 「とうの昔に数え損ねてもうわからん」 「どうして死なない身体に?」 「いや、死ぬはずだった」 「だったとは」 「死神様がきなすって、俺の魂をひとかじりしてよ」 「はぁ、かじられて」 「そしたら、 これは美味い、 今まで喰ったどの魂より美味い。 お前は一番最後に喰うとしよう、 とおっしゃる」 「あらま」 「そうしてほれ、この有様じゃ。 いつまで経っても最後の番とやらが回って
今思えば、 カズミをからかった奴らは私が端から殴ってやればよかった。 私がカズミに初めて出会ったのは小学五年生の頃。 私がカズミのいる小学校に転校した五年生の頃。 その時既にあの子は相手の耳元で囁きながら話してた。 私が初めて会話する時も耳元でヒソヒソと囁かれ、 運悪く私が全てを聞き取れなかったから、 「え?なんて?」 と乱暴に聞き返してしまったのが悪かった。 私のその聞き方があの子の顔を曇らせた。 その後すぐだった、カズミの声の事を聞いたのは。 私の友人、カズミ。
昔々ある山に二匹の化け狐が住んでいた。 春も終わりの夏の入り、 二匹は一つ化け勝負をしようと人里に降りた。 人間の女に化けて男を化かし、先に祝言まで上げた者の勝ち。 二匹が女に化けて道を練り歩いてみると何人もの男が振り返る。 手応えは上々、ではどの男を狙うかという段取りで片方の狐がこう言った。 「なんでもこの近辺に住む久次郎という男、大層女癖が悪くて女と聞けば婆まで構うらしい」 「はは、そんな奴を落としに行くのかい」 「そこまでの女好きなら相当脇が甘いに決まってる。 取
父が飼っている猫、その数三匹。 いずれも甘えん坊の撫でられ好きで、 父はいつも人差し指をあやしく動かしている。 だが娘の私は父の指に撫でられる猫が見えない。 その影すらも。 我が家の猫達は既に三匹とも天に召されているのだ。 当初猫好きだったのは母、 果てに狂い込んだのは父。 マンション九階の我が家に一匹目を飼ってきたのは母、 しかし二匹目を飼ったのは父。 三匹目を父が飼ったところで母が、 「もうこれまでよ」 と言った。 その後病で一匹死に二匹死に、 三匹目が死んだ途端に父だ
今朝は朝から給湯機が壊れたのでずぶ濡れで身体に残る冷水に震えながら全裸で管理会社に電話しました、お早う御座います。今年は冷蔵庫も壊れてるし、神様は貧乏人をいじめるのがお得意のようだ。
【こんな夢を見た】 雨が降る夜中、気付けば窓が一つ空いてるので閉めに行くと黒猫が一匹、雨宿りで家の中に。宿代は身体で払ってもらおうかと抱き寄せたら、これが心地良い。うひょーたまんねーと抱き続けたら猫がいつの間にかボウズ頭のオッサンに変わっており、私は寝違えの首の痛さで起きた。
事故直後、 親兄弟に連絡が入るのは不思議じゃないが、 友人にまで連絡が届くというのは、 なかなか聞かない。 事故者の親類なら判る。 親兄弟なら、そりゃ連絡するだろう。 血が繋がってるし、 一親等とか二親等とか、 なんだか難しい言葉も学校で習ったし。 習ったんだけど、でもよく考えたらなんで、 事故った時って親類に連絡するんだろう。 なんて事を言ったら誰かに馬鹿にされそうで、 事実色々馬鹿にされてきて、 僕は僕の人生を生きてきた中で悟ったんだ、 僕の頭は良い方ではないと。 親
→もし、最初から読まれる方はこちらから← 床一面に敷き詰められた赤色の絨毯は、 素直に『赤』と断ずるには少し黒の混ざりが強く、 まるで殺人現場の血の染みが抜けない色のようだ。 興味本位で自分の人差し指をそっと差し入れてみると、 爪の全てが隠れてしまうかと思う程の厚い絨毯だった。 両足で立っても簡単には靴が沈まない。 長年この会場に訪れた数々の人物達の重さを、 この絨毯は味わっている、知っている。 光栄な事に本日、俺と柴田の重さも、 その記憶に足される事となった。 今日は
本日更新予定でしたが、地獄でハデスにつかまり抜け出す為にハープを一生懸命奏でたのですが「上手だからあと百曲弾いて」と言われ、ただいま延長二百曲目の為地上に戻れそうになく、更新は無理です。地獄から戻れたら明日更新予定です。
(とても期間が空いたのでこれまでのあらすじ) 友人、柴田光司。 彼は産まれながらに不幸な体質を患っている。 『電難』と呼ばれるそれは周囲の電気製品に影響し、 快調に動いていた機械もあっという間に狂わせる。 中学に上がるまでに家の電子レンジを五台も壊し、 友人と電子機器で一緒に遊ぶ事も拒否され、 そんな境遇の柴田はよく本を読む子供だった。 その頃の柴田が言った言葉に、 「だって本は壊れないから。」 というのがある。 その一言に柴田の幼少期の苦労の全てが表れていた。 同
『墓場寄席』の全編読了、誠に有難う御座いました。 まず初めに断っておかなければならない事があるのですが、このオハナシはフィクションです。 何をそんな当たり前な、と思うかも知れませんが、このオハナシには肝心な点があります。それは、実は仏教は『火葬』という事です。 関ヶ原の合戦からおよそ二百年後の江戸時代中期、とある寺での展開でしたが、この寺の裏の墓場では、人の身体がすっぽり入る棺桶に入れられて死人は土葬されているという設定でした。 しかし調べてみると古来土葬を行うのは神道系ら
(→中編がまだの方はこちらから←) 陽が昇れば起き出して、 陽が沈めば夢を見る。 そんな生活の朝は早く、夜も早い。 にぎり目の様子が少しおかしくなり始めた。 「どうした?」 いつもは背筋をピシッと伸ばして説法を聞くにぎり目が、 いつもより背が丸まっている。 それに気付いたのは和尚様。思わず声をかける。 「あ、いえ、なんでも」 和尚様に声をかけられて一度は背筋を正すも、 また暫くすれば背筋が徐々に丸くなる、顔も俯く。 同じ方向を向いている兄弟弟子達は一番後ろの様子に
(→前編がまだの方はこちらから←) 誰も居ない筈の場所で声が聞こえてくる。自分以外の。 それだけでも気味の悪さは格別なのに、 その場所が墓場ときたもんだから、 こりゃあもう小便漏らしてでも逃げ出すしかない。 朝、 布団をギュウギュウに巻き付けた状態でにぎり目が起きると、 兄弟弟子の一人が、 「おいお前、布団は大丈夫か? 漏らしてないか確かめてから起きて来いよ、 俺は優しいから先に部屋から出てってやるわ」 と鼻を摘まむ仕草で笑いながら出て行った。 言われてみれば、と
対(つい)。 右と左、もしくは上と下、その他もろもろ。 中心とした位置を挟んで二つ物があれば、 それを対と人間は呼ぶらしいが、 それを美しいかブサイクかと論議するなどは、 また幾分ややこしい話になる。 人体の対と言えば。 目、耳、鼻の穴が二つずつ。 手足が合わせて四本、 両の指はニ十本。 外側の肉を剥げば肺や骨にも話は及ぶが、 今回は外から見える部分のみで勘弁願いたい。 いざ外に目を向け肌に風を受けてみれば、 涼しさがやんわりと訪れ始めた秋の入り、夏のすぼみ。 大権