公務員辞めてめっちゃ熱い創業期ベンチャーに面接当日にjoinした保健師の話
こんにちは!保健師/健康経営アドバイザーのいわきりことみと申します。
私はこれまで某地方都市の県庁で2年間、そして日本一人口の多い某政令指定都市で2年間、行政保健師として勤めていました。
母子保健から高齢者保健まで、対人援助から施策立案、議会対応まで、保健師としてはかなり多くの経験を4年間で駆け抜けてきたことになります。
そんな私がこの度、題名のとおり、「公務員辞めてめっちゃ熱い創業期ベンチャーに面接当日にjoinした」ので、その経過をお話したいと思います。
転職しようと思ったきっかけ
保健師、ってみなさんご存知でしょうか。
「保健師は、所定の専門教育を受け、地区活動や健康教育・保健指導などを通じて疾病の予防や健康増進など公衆衛生活動を行う地域看護の専門家のことである」by Wikipedia
病院にいるのが看護師さんなら、病気になる前となったあと、その生活を支える看護職が保健師です。平たく言えばそんな感じです。
私は元々看護師でなく「保健師になりたい」と思って、地元宮崎の看護大学に入学しました。
バンド活動に勤しみ、バイトに明け暮れ、看護実習で泣き、保健師実習で感動し、無事国家試験に合格し、晴れて保健師となりました。(すっ飛ばしすぎ)
就職先は地元の保健所。母子保健と歯科保健を主に担当し、所属の保健師さん・栄養士さん・薬剤師さん・獣医さんはもちろん、受け持ちの重度心身障害児さんやお母さんたちとの触れ合いや、地元歯科医師会の先生方、管轄市町村の先輩保健師さんたちに育まれるうち、保健師の仕事がどんどん楽しくなりました。
「これもっと大きい自治体に行ったらめっちゃヤバイことできるんじゃない!?」と思いつき、再度政令指定都市の採用試験を受けたら合格。
保健師人生3年目にして本庁勤務を言い渡され、20近い区役所の統括や市議会対応、医師会等との調整役として働くことになりました。
これが・・・
めっちゃたのしかった(爆)
充実した毎日を過ごす中、自分のキャリアを振り返り、これからやってみたいことは何かな〜と考えていた時。
同期がうつで退職しました。
フラッシュバックしたのは父のこと。
私の父はNPOやったりPTA会長やったり実はいろんな特許持ってるエンジニアだったりと割と元気な人なのですが、数年前、単身赴任をきっかけに体調を崩したことがありました。
その時、母は反抗期の弟と受験生の私を抱えて必死で働いていて、父に構う暇はない!なんて言いつつ、実際のところはかなり疲れていて。家族全体で精神的に参ってしまったんです。
働く人が健康でないと、その人が養っている家族にまで影響が出る。
だから、私は保健師になったら、地域住民だけじゃなく、周りの「働く人」の健康も守れる保健師になろう、いいや、なれるんだ!って、ちょっと勉強しただけでつけ上がっていました。
それなのに、まさか、うつで退職する同期が出るなんて思わなくて、相談に乗っているようで彼女に寄り添えていなかった自分が悔しくて、彼女のような優秀な人材がその職場をやめてしまうことが辛くて、「一から産業保健やってやる」と心に決めました。
その日から、手に取る本には「産業保健」「健康経営」の文字が踊り、大好きなフ●ちゃんのYouTubeも見ずに勉強に没頭する日々が続きました。
学べば学ぶほどに、行政保健師が関わることのできる「産業保健」のエリアはたかが知れている、という事実に直面しました。
「もうこれは、脱行政するしかないんだな。」
なんとなく腹を括っている自分に気付きました。
安定している公務員。
親も祖父母も喜んでくれた就職だったけど。
やりたいことができないところで安定を選んで頑張れるほど、私は強くありませんでした。
2020年、転機と悪魔が訪れる
転職するなら、伸びる業界で、しかも、どっかの企業で一から健康経営文化を作ってやる。
そう考えた私はIT業界へ飛び込むことを目標にしました。
パソコンなんて苦手なくせに、
「IT業界っつったらプログラミングでしょ!」
と勢いよく3ヶ月のプログラミングスクールに入校。
HTML、CSS、JavaScript、PHPを学び、ちょっとコードが分かったからと職場ではExcelでVBAを書きまくり(嘘です、ほぼコピペでした)、それを見た先輩保健師に「そのファイルが故障したら誰も直せないからヤメテ!」と怒られたりしました。
同時に転職活動を開始。
ヘルスケアや健康経営なんて全く関係のないベンチャーにもアポを取っては
「興味がないね」「健康経営の会社じゃないよ(笑)」とフラれまくりました。
今思えば、そりゃそうだ。って感じなんですが、なぜ私がこんな行動を取ったかというと、「ベンチャーはみんな会社を成長させたいと思っている=健康経営の意識があるのは当たり前だ!」と考えているアホだったからです。
そんな中、「(健康経営とかどうでもいいけど)コードかける総務が欲しいから来る?」と声をかけてくれた企業があり、二つ返事で入社を決めました。
やった。別に保健師採用じゃなくてもいい。健康経営文化を、総務という立場で根付かせていけばいいんだ・・・!私が意識を変えていく・・・!
これから立ちはだかるであろう困難と乗り越えていく自分の姿を想像してはニヤニヤしていました。(変態です)
上司に「ベンチャー行きます!」と高らかに退職宣言した矢先。
事件が起こります。
新型コロナウイルスのせいで内定取消
新型コロナウイルス感染拡大予防のため、巷では多くのイベントが自粛を始め数週間が立っているときでした。
「採用だから、内定通知あとで送るネ」と言われた企業から、
「ごめんね、事業が赤字になって雇えなくなっちゃった」
との連絡が。
いや、私来月から職ないんですけど??
でも、この状況で企業を責めるわけにもいかず。
ピンチをチャンスに変えるにはどうしたらいいか、ひたすらノートに書き出して、自分のやりたいことを考えてみました。
私の思いは、この二つに収束されました。
・私はとにかく産業保健、健康経営をやって、働く人を元気にしたい
・しかもイチから何かをやることにワクワクするらしい
つまり、産業保健・健康経営をやっている会社か、創業期ベンチャーか。
この2軸で検索。
すると。
どっちも兼ね揃えた会社がある・・・だと・・・!?
迷わず「興味がある!」ボタンを連打。
数日後、「オンラインで面談しませんか?」とお返事をいただき、初のオンライン面談。(めっちゃ部屋片付けた)
面談してくださったのは、まさかの人事担当者でもなく「代表取締役」
あまり深く私の経歴を探るでもなく、「Appdateのどこに共感したのか」という話で盛り上がり(Appdateの共感ポイントは後日noteかけたらいいな!)、「今日研修会やるから来ませんか?」とのお誘い。
フットワークの軽さは無重力級の私。行かないわけありません。
初めて参加したAppdateのオンラインミーティング
その場にいるメンバーはもちろん、オンラインで参加しているメンバーがコンスタントにコミュニケーションを取りながら、このミーティングを完成させていく様子を図々しくもど真ん中で体感した私は、
あ、この会社は「企業の健康経営を支える」を目標に動いているんじゃないんだな
と思いました。
「本気で産業保健業界を変える気なんだ」と。
職種もバックグラウンドも関係なく、みんなが一つの目標に向かってワクワクしながら進んでいる。
私も一緒にワクワクしたい。
迷わず、joinすることに決めました。
私のこれからの目標
まずは、「CS(カスタマーサクセス)する」
机上の産業保健知識はあれど、実践に即した形で動けるかどうかはまた別の話。
クライアントや産業医とコミュニケーションをとりながら、顕在化していない課題にさえも予防的に関わることができるようにしたい。
そして、とにかくたくさんOutputする。
それが自分の成長にも、会社のためにも、全ての「ベンチャー保健師」のためにもなると思うから。
ベンチャー保健師いわきりの挑戦は始まったばかり・・・
To be continue...