趣味「麻雀」なんて絶妙なんじゃないかな
これまで、一般人のプロフィールや自己紹介などで「私の趣味は麻雀です」と言われた人に会ったことがないのですが、たまたまなのでしょうか。
業種によるのかも知れませんが、某会社の新人の紹介ページにも、「楽器演奏」とか「読書」「映画・音楽鑑賞」みたいな “無難” な記載が多いのです。これらにはイマイチ具体性に欠けます。モノの本でも「ここは自己アピールする欄ではない」などと書いてあるものさえあります。
趣味がスポーツの場合は、具体的に記載されていることが多く、観戦することを含めて「野球」「サッカー」のような記載を見かけます。ただ、「ポーカー」とか「花札」とか「麻雀」って見かけないのですよね。本当の趣味は、実はなかなかさらけ出しにくいです。
ましてや初対面や紙面で方々に言ってしまっていいのか悩みます。特に私のような “控えめ” の人間にとって、趣味が持っているイメージで、自分が望んでいないキャラが付いてしまうかも知れません。
いや「麻雀」と書いておくことがマイナスだと思っていませんが、本音は「そう強くもないし、セットの担当者になりたくないし」のようなことまで頭をよぎります。
一方で、趣味が「麻雀」って書いてあったら、麻雀好きな方からはお声をかけてもらいやすくなるとは思います。趣味に「ゴルフ」と書いてあったら、「今後、一緒にまわりますか?」みたいに「週末、打つ?」みたいな感じでしょうか。急に「麻雀プロは誰推し?」という話はあまり無いかも知れませんね。
そういう意味では、ゴルフと同様に「麻雀」を趣味として記載することは、自己アピールというより、「お仲間募集」ということでしょうね。コミュニティに参加するための呼び水、それが「趣味」の欄だと思いました。
なので、一般にマイナー過ぎたり、ちょっと風変りだったり、「それ何?」みたいな前衛的な趣味だと、プロフィール欄の「趣味」は有効ではないかも知れません。(マイナーほどハマると大きい?)
プロ野球選手が ”趣味” に「野球」と書かないように本来の仕事とは関係ないことを記載して、社交性やコミュニティ参加へのアピールを「趣味」という欄に託す、自分自身へ相手が踏み入る余地を作っているのが「趣味」の欄なのではないでしょうかね。そういう意味では、趣味「麻雀」なんて絶妙なんじゃないかな、とつくづく思うのです。
趣味「麻雀」の人と何を話す?
趣味が「麻雀」と言っている人がいて、何か麻雀の話をしたいというときに何を話せばいいのでしょうかね? もしかしたら、質問しても盛り上がらず、相手をぽかんとさせてしまったら逆に申し訳ない気持ちになります。
私は「麻雀」を趣味で話す場合は、プロレスや野球と似ているような感覚を覚えます。「麻雀プロは誰推しですか?」「Mリーグのどこを応援していますか?」「トップ率ってどのくらいですか?」「天鳳は何段ですか?」「昨日のMONDOは観ましたか?」「リャンカンは有効だと思いますか?」みたいな話は、ただ麻雀を遊んでいるだけではなく、ほんのもう少しハマっている必要があるように思うからです。…あれ? 趣味「麻雀」ってマイナー(^^; ??
私の与太話
脱線ですが、私の趣味欄に関係した面談話を思い出しました。以前、奨学金を某会社にいただくにあたって、面談というか面接を行う際に提出した履歴書に「映画鑑賞」と書いたことがありました。すると、面談くださった方が「どんな映画を観るのですか?」と尋ねてくださいました。今、考えれば、この何気ない一言だけでも、この方はコミュニケーションが上手だな、と思います。普通、わざわざ「映画鑑賞」に食いつかないでしょうし、他にも私が取り組んでいる研究のことなど、沢山尋ねることはあったと思います。
そこで私は(慎重に空気を読んで)余計なことを話します。「(私)ハイ、ラブストーリーが好きです。特にラストはハッピーエンドのものです。奨学金はビデオレンタル代に使います。」などと語りました。今考えると、なんちゅうことを…。
しかし、思いのほか、特に呆れられることも失笑もなく、この ”余計なこと” は場を和ませたようです。・・・いや、普通はアウトでしょう。自分でもそう思いますし、なぜそんなことを言ってしまったのか…。その奨学金の主旨に反していますが、さすがに「冗談」だと受け取ってもらったのかも知れません。まぁ、確かに少しはビデオレンタル代になったと思いますが。
その後は、履歴書には記載していない「お酒は飲むの?」というもので、どんどんラフな感じになっていきました。もしかすると面談される方は、普通の面談に飽きていらっしゃったのかも知れません。または、私の"人となり"について、「こいつ軽いな?」と思われたのかも知れませんが、無事、返済不要の奨学金をいただくことができました。(こういう会話を推奨しているわけではありません…)
趣味が「麻雀」だったら
ただ、もしも、趣味欄に「麻雀」という記載をしていたら、面談の方のコミュニケーション力が高くなくても、"人となり"を知りたいのが目的でしたら、「麻雀」という記載はキャッチーで面談する方からのツッコミどころだと思います。
私みたいな曲芸をしなくても、面談相手がおじさんであれば「(ギャップを利用して)少し良いエピソード」を仕込めておけるかも知れませんね。私はこういうことを「落とし穴」と呼んでいます。しかし、趣味が「麻雀」で、奨学金を「バクチに使う」と言ったら本当のアウトでしょう。
個人的には、趣味を「麻雀」と書くことには、本当は抵抗がないのですが、書けないのですよね。なぜならば、そんなに「麻雀」がうまくないので、気が引けるのです。趣味と特技は違いますよね。
それに「週末、打つ?」は「カモにされるかも!」または「初対面でバカ勝ちできないやろ(いや、できるなら)」などと、余計なことを考えすぎてしまいます。やっぱり仲良くなってから趣味「麻雀」を話したいと思います。
おしまい