Photo by niwayuko <ネタにできる古典(3)>恋するひじき 3 Kei 2023年1月28日 13:17 むかし、男ありけり。懸想じける女のもとに、ひじき藻といふものをやるとて、 思ひあらばむぐらの宿に寝もしなむひじきものには袖をしつつも 二条の后の、まだ帝にも仕うまつりたまはで、ただ人にておはしましける時のことなり。(訳)昔、男がいた。恋をした女に、ひじき藻を贈ることにして、歌った。 もし私に思いがあるのなら つる草の生い茂る荒れ宿でよろしいから 臥所を共にいたしませんか 引きもの敷きものなんか 衣の袖で間に合わせて 二条の后が、まだ入内なさっていない頃合い、普通の身分だった時代のことである。伊勢物語 第3段 後に皇后となる御方への恋文とともに届けるのが、ひじき。このギャップが味わい深いんです。 ダウンロード copy いいなと思ったら応援しよう! チップで応援する #エッセイ #ネタにできる古典 3