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【玉葉集】22 R4.2.11 晴れ/霞/指宿

 今朝は朝から晴れていました。

 ただ晴れるだけの空ってどこか不気味です。
 金曜日はプラスチックごみの日。珍しく長男までついてきて、4人でゴミを捨てに行きました。
 晴れた今日はマグマドラゴンが出現しました。ポケモンにはまっている欲張りな長男は、そのドラゴンをゲットしたと言います。
 ゲットって何なんだよ。

☆ ☆ ☆

峰の雪谷の氷もとけなくに
都の方は霞たなびく
 
峰の雪も
谷の氷も
溶けていないというのに
都の方では
早くも春が来て、霞がたなびいている

玉葉集・22・永福門院

 冬を残す山と春を迎えた都を対比するパターンの歌です。二首前の定家の歌でもこのカテゴリは整理しました。
 永福門院のこちらの歌は、山の景にも都の景にも推量や疑問を用いていません。つまりどちらかに視点を固定しているわけではありません。その点では『古今集』の

深山には松の雪だに消えなくに
都は野辺の若菜摘みけり

古今集・18・読人しらず

を分かりやすく受け継いでいる歌と言えるでしょう。
 「峰の雪谷の氷」は対句になっていてなんだか漢詩的です。どうやらいくつか先行歌があるので、借りてきた表現であるようです。

 古今集歌の骨格に「峰の雪谷の氷」という対句的表現を組み込み、霞の歌として仕上げた。ただそれだけの歌であるようです。
 なんでこの歌を勅撰集に入れたのでしょう。

☆ ☆ ☆

 今日の鹿児島は気温が上がりました。僕たちは指宿にドライブに出かけ、そら豆とスナップエンドウと菜の花といちごをお土産として手に入れました。

指宿の農産物販売所で買うそら豆。これ全部で1200円くらい。安い!

 それから僕は、竜宮神社に向かう道に店を構えた酒屋で、オガタマ酒造の「無瀬の浜亀」という焼酎を手に入れました。超限定でこの店にしか売ってない焼酎だと店主さんが熱弁を振るいます。冷静に考えると、その店のためだけに醸し、ラベルを作り、卸してるってちょっとあり得ない気もします。ですが店主さんの語りに嫌みは無く、また従業員さんたちが子どもたちにとっても優しくて、ちょっと高いその焼酎を買ってしまいました。
 家に帰ってそれぞれいただきました。指宿の春の実りはめちゃくちゃ旨いです。豆も野菜もいちごも、収穫してすぐいただくその味は際立っています。
 焼酎は穏やかな甘さと雑味の無い味で、とっても僕が好きな味でした。
 指宿は良い春を迎えています。

東京の歩道の雪は溶けなくに
指宿の地に春は実れり

 

 


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