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【玉葉集】春歌2

庭もせに
引きつらなれる
諸人の
立ちゐる今日や
千世の初春

宮殿の庭であっても所狭しと
ズラリ立ち並んでいる
多くの廷臣たちが
起立しまた跪き拝礼する今日という日は
永遠の始まりを示す春の初日なのだ
(春歌上・2・源俊頼)

 詞書に「堀河院に百首歌奉りける時、立春の心をよみ侍りける」とあります。為兼卿、二首目も人為の歌を持ってきましたね。

 「立ちゐる」には解釈のズレがあります。「群立している」と「立ったり跪いたりして拝賀する」と。
 前者じゃ二句「引き連なれる」と同じ状況を繰り返しているようですので後者を支持します。

 虎尾達哉『古代日本の官僚』を思い出します。虎尾が示しように官僚が本当にサボりがちだったなら、百官立ち並ぶ姿は感動的風景として歌われてもおかしくありませんね。


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