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学生起業して学んだこと

こんにちは、山下昂太です!
大学院は修了せずに中退しましたが、来年度から東京のIT企業で働きます。

年度の節目ということもあり、今年度に挑戦した起業について書いておこうと思います。

1. はじめに

今年度(2019年度)は、起業に挑戦したり、就職先が決まったり、大学院を中退したりと今後の人生に関わる大きな決断を繰り返した年度でした。
その中でも一番時間と気持ちをいれて取り組んだ起業で学んだことをまとめていきます。

結果としてはサービスをローンチ前に解散するという結末になってしまいましたが本当に様々な学びや気づきがありました。将来、また起業という形をとって世の中に大きな影響を与えていきたいと考えているため、その時に活きるようにまとめます。


2. 起業についての要約

食料廃棄問題を解決するために、フードシェアリングサービス「ETASTE」をメイン事業とした株式会社ETASTEを設立しました。
設立自体は2019年10月25日に行い、活動自体はフードロス事業に関しては2019年7月頃からやっていました。(フードロス事業には何度かピボットしてたどり着きました。)
また、起業するにあたってクラウドファンディングを実施しました。

多くの人に支援・応援していただき達成することができました。

そこからプロダクトの開発と営業活動をしていきましたが、数々の壁に打ち当たり、結果的に事業の方はクローズすることにしました。
クローズにあたっての背景やそれまでにしてきたことは下記の記事の通りです。

その過程での個人的な学びを以下にまとめていきます。


3. 学んだこと

学んだことはとても多いです。
確実に今までの人生のイベントの中で今回の起業という経験は1番多くの学びを得ることができました。
自分の人生をかけてやりたいことを見つめ直すきっかけにもなり、今の価値観や考え方を形成できました。
本当に挑戦して良かったと思っています。

その中でも影響が大きかった学びを書いていきます。(書きにくいこともあるのでそういったことは書かないです。)
頭では聞いたことがあったり分かっていたとしても実際に取り組むとなるとできないことばかりだと感じました。
そのことが分かったのと、早いうちに経験できたことが1番大きなことかもしれません。もうここに書いたことは実際に体験して痛感したことばかりなので同じ失敗は絶対にしないです。


・ 起業において1番大切ことは真の覚悟をもつこと

本当にこのことを痛感しました。
最終的にクローズした真因はこの覚悟をとれなかったことです。

 株式会社ETASTEは代表取締役2人制でやっていました。
2人とも来年度から就職で熊本を離れてしまうため、複業という形をとりながら来年度以降も継続する予定でした。熊本のオペレーションは熊本に残るメンバーに任せて、東京で新規開拓をしていくとか考えていました。
これが完全に甘い考えでした。

まず上手くオペレーションができるわけがありません。
代表が就職して賃金をしっかりもらいリッチな暮らしをしながら、片手間に起業ごっこしているわけです。
こう思われるのが当たり前です。最初のうちはそう思わなくても時間が経つにつれ必ずそう思う自信がありました。むしろ例え思わないのなら「何も考えてないのかな?」と心配になるので思ってほしいのです。

仮に潤沢な資金があり十分な賃金を支払えるとしても、オペレーションが回る期間は長くは続かないでしょう。メンバーがどれだけ優秀であっても代表との間に温度差ができるからです。同じモチベーションで回し続けることは不可能です。(そもそも利益率が低く売上だけで回せるモデルではなかったですし、資金調達の目処もたってなかったのですが。)

サービス開発も営業も順風満帆といえば嘘になりますがそれなりに進んではいたのでリリースをするだけならできたと思います。
ただリリースをしてしまうと来年度以降のオペレーションの問題があり、中途半端な状態でリリースしすぐにクローズしてしまうと契約いただいていた飲食店さんに多大な迷惑をかけることになります。
そのためリリースに関してはしなくて良かったと思っています。

客観的に考えることの大切さを学べました。
最初の計画のうちから、代表がいないなかでのオペレーションという問題をメンバーの立場になってしっかり考えることができていたらこの問題はもっとはやくに決断できました。

本題ですが、オペレーションや資金調達ができない問題は見ての通り、覚悟がとれないことです。
覚悟がとれたらこの事業が上手くいくかは置いておいて、すべて解決する問題です。覚悟がとれた時点で失敗しても成功するまで挑戦すれば良いだけなので本当にすべて解決するんだなと思いました。
でもこれが分かっていながら最後まで覚悟がとれなかったのです。

ここでいう覚悟をとるということは、狭義の意味だと内定を辞退する、広義の意味だと起業家として生きていくことを決めることです。

起業をするなら起業家として生きていく覚悟をとることが大事です。
こんなこと当たり前のことですが人間当事者になると、自分ならいけるとか思ってしまうわけです。自分が完全にそうでした。
世の中の超優秀な人たちが人生をかけて時間もお金もすべてを注ぎ込んで起業しているわけです。それでもいわゆる成功(上場やM&A)EXITできるのは数%です。
そんな世界で新卒就職しながら片手間に起業してもごっこ遊びにしかならないわけです。

VCがシードラウンドで資金提供する時に見るポイントが、「逃げないこと」という意味が分かりました。
それくらい覚悟を持って取り組むことが絶対条件なのも納得です。

そのため、起業家として生きていくという覚悟をとってからメンバー含めあらゆる方面の方々を巻き込むべきだと感じました。覚悟もリスクもとらない・とれないのに巻き込むべきではありません。

特に法人化するなら社員の人生を背負う覚悟が必要です。
学校やプライベートなど大切な時間を使って協力してくれているわけです。
それは人生を背負うということ、時間を奪っているということになります。
そこまでの責任感と覚悟を持てるようになることがスタートラインだと思いました。

起業家として生きていきたいなら最初から就職などせずに起業してどんどん挑戦していく。
これが起業家として生きていくなら絶対の近道だと思っています。
就職して社会人としての何らかのスキルをつけてから起業という道もあるとは思いますが、起業しないなら起業するのが1番手っ取り早いです。
私にはプロ野球選手を目指しているのにサッカーの練習をしているようにしか感じられません。
そのくらい必要なスキルからマインドセットまで違うと思います。
それが分かっていながら就職という道をとってしまう自分が弱かったです。

覚悟がとれたらその時はまた起業という手段を取りたいと思います。


・ 早いうちにビジョン・ミッションは強い意志を持って決める

会社としてのビジョン・ミッションを決めるのはできるだけ早めに具体的にが良いです。

早めには決めましたがメンバー間で齟齬がある状態になってしまっていました。
また個人のビジョンと会社のビジョンは異なっていてもいいとは思いますが(むしろ同じになることなんてほぼない)、会社のビジョンの達成が個人のビジョンに繋がっていないとモチベーション的にも上手くいかないと感じました。

スタートアップという特性上、ここのスキルが大事だと思っていましたが、ビジョンの比重の方が相当大きいです。
明確に何をするかや1年後に何をしているかがわからない現状で、自分でやることを探す必要があるため、相当な当事者意識がないと回りません。
そういった意味でスタートアップにおけるビジョンというのはバイブル的な存在なんだと気づかされました。

そして常に共有したり個々で思いを語ったりして、齟齬が1mmもない状態にすることが大事です。
齟齬が1mmでもあると最初のうちはあまり問題がなくても、時間が経過するにつれてどんどんズレは大きくなり思いは離れていきます。
そうなるともう修正は効かなくなるため、都度共有しておくことが必須です。

またビジョン・ミッションがあいまいだと大切な意思決定の時に何も決まりません。議論が平行線になってしまいます。
そして起こることが今までやってきたこと(開発や営業含めてすべて)が巻き戻しになって無駄になります。
これは時間が命のスタートアップにとって命取りとなります。

ビジョン・ミッションの共有の徹底は今後意識していきたいです。


・ 起業の最初に資金計画や最低1年間の計画をたてる

題名の通りです。

計画を立てずに進めて起こることが起業ごっこ化です。

・資金調達いつするの?お金ないよ?
・メンバーにいつから給料支払うんだっけ?決めてなかったなぁ。
・いや来年度のオペレーション無理じゃない?

みたいな今見ると笑えるようなことばかりおきます。しかも日常茶飯事に。

もちろん戦略面も資金面も計画はありましたが、まったく思うように進まないし、具体的に決めてなかったのでなあなあになってしまっていました。

こうなるともう立て直しが厳しくなるのでスピードが大事とかいっても、やることはやらないといけないため、そこの時間をかけることの見極めが大事だと思いました。


・ テンションの浮き沈みが激しく強靭な精神が必要

これも何度も聞いたことがある起業家あるあるでしたが実際に実感して思いました。

昨日良いことがあってテンションがあがっても、今日悪いことがあってテンションが最底辺にいくなんてことがざらです。
その高低差は日に日にどんどん大きくなっていきます。

起業としてのフェーズを奥まで辿ることなく終えたのにも関わらず、このような状態だったため、世の起業家さんたちはとてつもない精神を持っているなと感じました。

一喜一憂することは大事だとは思いますが、それでいちいちパフォーマンスが変化してしまっては事業として進まないため、強靭な精神を身につけていきたいです。


・ 仲間は大事

性に合わないのでつらつらは書いません、言葉の通りです。

特に共同創業者はいて良かったと思います。
つらい決断や悔しい決断をする時がどうしてもでてくるため、そういった時に1人で決断するとなると踏み切れるか分からないし誰にも相談できずに相当なプレッシャーになるでしょう。
共同創業者がいることで相性補完ができる等のよく語られるポジティブ面がありますが、ネガティブな時に同じ目線で同じ熱量で相談できる人がいるのといないのとでは本当に全然違うと思います。
以上。


4. おわりに

気持ちの切り替えという意味も込めて、年度内に書き上げたいという思いがあったため書き殴りとなってしまいました。(3/31に書き始めるという計画性のなさ)
そんな稚拙な文章を読んでくださった方、本当にありがとうございます。

本当は起業前から終わりまでのストーリー的なのもまとめたかったですが時間の関係でまた今度追記していきたいと思います。

明日から社会人ということなので環境がガラリと変わるため、これまで見えなかった世界も見えてくるのではないかと楽しみにしています。

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