まさかの4月も

先月「たまに妻がわからない」という話を書いた。

簡単に言えば3月のカレンダーがテナガザルだったのを見て、妻が「私じゃん」と言ったってだけの記事だ。

4月になったのでそろそろ妻ともお別れかーグッバイ妻（テナガザル）
と思いながらカレンダーをめくると、また妻がそこにいた。

スマトラオランウータンである。

予期せぬ邂逅に笑いが込み上げる。
まさかだ。
そもそもテナガザルの次にオランウータンってどういう編集？普通その並びにする？
あれ僕類人猿カレンダー買いました？

それにしても妙に良い写りをしている。
微妙に目が合わないのも良い。どこ見てるんだい。

妻は以前、
「私オランウータンの赤ちゃん系だと思うんだよね」
とよくわからないことを言っていたので、
厳密にはこれは妻がおとなになった姿ということになり
大人になった妻はもう妻なのでこれは妻だ（？）

妻がお風呂に入っている間の出来事だったので、
ひとしきり笑ったあとマジマジと観察してみると、なるほど似ているなと思った。

くれぐれも間違えないで欲しいのは、妻は美人だ。
なんでお前にあんな美人が、と言われることも多い。

しかし

似ている。

似ても似つかないはずなのに面影がある。
面影があるって書くと、このオランウータンが妻だった生き物みたいだけど、雰囲気がある。

写真をパシャパシャ撮っていると妻がお風呂から出てきた。

カレンダーを撮る僕を見て、
その後カレンダーを見て1言。

それはやはり「私じゃん」だった。

今回は否定する気持ちは欠片もなかった。

「そうだね」

と返す僕に、何とも言い難い表情を向ける妻。

「私のことを何だと思ってるんだ」
と聞かれたので
「よく食べるオランウータン」
と答えると
「それはもうただのオランウータンや」
と返す妻。

その会話のリズムに心地よさを感じながら、
来月の写真は何だろうなと想像するのでした。