子供の頃の大晦日って結構ハードだったなーという思い出

私が育った家は山の中にあるかなりの田舎でした。どれくらいかというと、半径3、4km以内にはお店がない。自動販売機はあったような気もするけれど、積極的に購入したい感じのものではない。もちろん子供だってほとんどいない。小学生なんて3人でしたから。あ、同級生でなく小学生。
そんな、田舎の引きこもり小学生の大晦日の思い出。

親たちは忙しい。子供は邪魔でしかない。

大晦日は忙しい。祖父母と同居していたので余計にかもしれないけれど、とにかく何もかも手作りしないといけない雰囲気満載。

祖父・・・家や蔵、仕事場に飾りをつけてまわる。年末に入ると、藁でしめ縄を作り始める。それを、関係個所につけて回る。玄関を始め、トイレにも飾る。

祖母・・・腹黒祖母は、外にあるおくどさんで煮しめを炊く。
私の煮しめ嫌いは確実にここからきていると思います。鉄鍋で炊くので、中の具材は少し黒ずんだ感じになり、おくどさんの煙突から吐き出された灰が風向きによって鍋の中にふりかけのように入るのです。灰のふりかけ入りお煮しめ。

父・・・門松などのかざりの準備をする。玄関前に大きな門松を立てます。山に入って竹やら松など素材を集めます。自宅裏に南天が生えていたのでそれも素材の一つです。

母・・・お節作り。縁起物と呼ばれるものをひたすら作ってくれています。オードブル形式ではなく、お重に盛るのですが、縁起物は一人につき一重?を仕出し料理のように盛り付けてくれていました。
縁起物縁起物とうるさく行ってた祖父母ですが実は海産物が苦手だったんですよね。エビとかブリとか・・・。作らないと文句を言われるし、作っても残るしなので母はノルマ制にしたのでした。(家族全員海産物苦手)

私・・・母と台所でお手伝い兼、邪魔。
私の中ではお手伝いをしていた感じですが、今思えば邪魔でしかなかったなーと思います。でも、一つだけは大いに役に立ったと思う仕事がありました。それは「田作りの下準備」。
田作りは味付けの前にフライパンでから炒りする必要がありますよね。これが結構めんどくさい。強火だと焦げるし、弱火だと時間がかかる。適度にかき混ぜないといけない。
バタバタしている母にはとてもできない作業だったので、石油ストーブの上でテレビを見ながらかき混ぜていたのが私です。

紅白歌合戦のスタートと同時に、一大イベントスタート【三宝】

紅白歌合戦が始まると同時に、一年で一番慌ただしい時間のスタートです。私はそうでもないのですが、母親の忙しさはピークだと思います。

まず、夕食に年越しそば。なにより、祖父母が「でん!」とダイニングテーブルに座って、グダグダと日本酒を飲みながら待っているものだから、母の心労は計り知れなかったと思います。

その後、母はおせち料理の盛り付けにかかります。私は、29日買ってもらっていた漫画が解禁になるので、こたつでゴロゴロしつつ、紅白をみつつ「りぼん」「なかよし」「ジャンプ」をむさぼり読むのでした。

うたた寝をしつつ23時45分頃の、ゆく年くる年が始まると、着物の着付け開始です。眠たいところを怒られながら着せてもらいます。母も着物をきています。

年越しと同時におせち料理を食べたんだったけな〜。おせち料理を食べるか三宝(さんぼう)をしました。三宝ってどんな漢字かわからないのですが・・・。でも、調べても私がやっていたものとなんだか違うんですね。

一人一人三方をもち、頭を下げてから置いて、みかん、昆布、カヤ、干し柿、米、栗を一つずつとります。(あ、米は3粒だったような)

これを、食べます。カヤはそのまま食べられないからどうしてたんだろう?ストーブで炒ってたかな?
深夜におせち料理とお下げしたものを食べるんですよね。

その後、近所の神社へ初詣。近所といっても2km〜離れているので車で行きます。神社では大きな丸太が燃えているのですごく暖かいです。炎を見ながらボーッと過ごすのっていいんですよね〜。春の海なんかも流れていてすごくいい雰囲気でした。雪が積もってると、寒いけど雰囲気はとてもいい。
おみくじはなく、父親だけお屠蘇を飲んでた記憶があります。まあ、交代で世話役をしているので、全員知り合いだし、なんなら初飲み会みたいな・・・。

伝統文化、しきたり、大切だけど大変

古き良き日本のお正月を続けようと思うと本当に大変。家族総出でしないとできないのに「仕事が休みだからゆっくり休ませて」なんて言う人がいたら絶対にできませんから・・・。
いいと思うこと、子供に伝えたいなと思うことをできる範囲で「見せること」が、私のできることかな。
子供だって遊ぶものはたくさんあるんだから、大変な正月準備を一緒にやりたいかどうかなんてわかりませんからね。

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