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タクティカルトレーニングとの上手な付き合い方(僕は見た!ヘンテコなタクトレ編その1)

最初に

前回の続きです。
ここで注意事項があります、ここで書かれている事は事実を元にしたフィクションです。
このモデルとなっているセミナーはもう存在しません。
セミナー名や登場人物は架空の名前です。

「ポンコツ君タクトレ行かないかい?」

現役陸上自衛官でサバゲ仲間のH氏に誘われて、そのセミナーに参加したのは今から10年近く前の事です。
当時H氏はレンジャー課程卒業者で、部隊では射撃の教育を担当している※陸曹という立場でした。
※米軍でいう伍長~軍曹にあたる階級の人

場所は普通のサバイバルゲームフィールドで、その場所を貸し切って行われました。
人数は15人程度で費用は7000円~8000円位だったと思います。
主催はタクティカルセミナージャパンという団体でした。(重ね重ね言いますが名前はフィクションです)

講師は日本人2名(男性女性の各1名)、外国人が1名(男性)でした。
ここのセミナーの売りはこの外国人の講師が、外国軍特殊部隊の出身であるという事です。
そこにH氏も心を惹かれ参加を決めました。

講義内容は安全管理(銃口管理含む)、ガンハンドリング、複数人でのルームエントリー、装備のセットアップでした。

安全管理などの講習は、一般的なレーザールールやトリガーコントロールだったのでさほど違和感は感じなかったのですが、最初に違和感を覚えたのはガンハンドリングの時間です。

「講師の個癖が強すぎる」
「外国人の講師はともかく日本人の講師が銃口管理できてない」
(個癖とは銃を構える時に出てくる個人の癖の事です。)

日本人講師の方は照準器にたいして顔が傾いていたり、ストックを肩に当てる位置が変だったり、本当はちょっとタクトレに詳しいだけのサバゲーマーなんじゃないか?と疑うような動作でした。
そして一番疑義を抱いたのは銃口管理です。
レーザールールで、銃口を決して人に向けない、弾が入っていると思って取り扱うと教えていたにも関わらず、講師がまず銃口管理が出来ていません。
スリングにぶら下げたライフルが平気で人の足を向き、普通に銃口が人を横切ります。(特に女性講師が酷かった)

現役自衛官のH氏は勿論、さすがに僕もおかしいと感じ始めたのですが、とりあえず顔に出さないようにして笑顔で乗り切りました。

そしてルームエントリーの時間は外国人の講師が1人で見本を行い、受講生に実習させます。
僕自身はあまり違和感を感じなかったのですが、H氏が一言「もしかしたら8000円無駄にしたかもしれない」と言い始めました。

H氏が感じた違和感はルームエントリーをする上での教える知識が薄い、そもそも基礎知識を何も教えないまま実習しているからタクトレと言うよりも演技指導みたいであった点でした。
(この場ではこうする、こんな場合はこうする…と極端な言い方をすると将棋で基本的な駒の動かし方を教えずに試合の場面だけ見せて"この場合はこうする"とそれらしく見える応用的な動かし方だけ教えていた。)

H氏自身も職場で色々な訓練をしています、その上でこのセミナーに最低限必要であろう知識も予習した状態で参加しているので、余計に違和感を感じたのでしょう。
僕は何回か連続したセミナーの内の一回であり、前回では基本的な動きを教えたのだろうと勝手に思っていました。
しかし、周りの参加者の様子や話を聞くと、どうやらそうではなく毎回内容は違うが似たような感じでセミナーが行われています。
つまり連続性のあるカリキュラムではなかったのです。

そして僕の中の疑惑が確信に至ったのは、講師と親しく話す常連であろう人達の練度が全然低かったからです。
恐らく基礎を身に付けない状態でそれらしい応用をやっているから個癖が抜けないまま、下手な物真似になっています。

訓練後の空いた時間でH氏が外国人講師に質問をしました。
その質疑応答の後、戻ってきたH氏は僕に「ポンコツ戦車君、もしかしたら彼は偽者だね」と言いました。
理由は、ネットで分かる内容しか明確に答えなかった事、軍の秘密や自分が参加した作戦は話せないとしても、タクティカルトレーニングの範囲である細かいコツや戦闘戦技に共通した教訓が全く出てこない事はさすがにおかしいと思った点でした。

特に印象に残っているのは
「上手くは言えないが彼からは特殊部隊の隊員だった頃の雰囲気や独特の厳しい訓練の苦労が伝わって来ない、もしかしたら兵士だったのは本当かもしれないが恐らく特殊部隊の隊員ではないし戦闘職種でもないと思う」
と呟いた言葉でした。

このタクトレをまとめると
◯  講師が安全管理出来てない
◯  日本人講師の練度が低い
◯  基本基礎、必要なバックボーンとなる知識がない
◯  外国人講師の経歴が怪しい
以上の4点です。
次回はこの怪しいセミナーの正体が徐々に明らかになっていきます。






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