ATEM Mini ProとiPadでライブ配信する
ATEM Miniシリーズ
Blackmagic Design社のATEM Mini Proは、HDMI入力を捌くビデオスイッチャーにストレージへの録画機能とライブ配信機能を持たせた製品です。
録画・配信機能を省いた姉妹機ATEM Mini(無印)とともに、USB-C端子からパソコンに映像入力ができるため、昨今のテレワーク・リモート会議などの需要と相まって、大変人気の商品となっています。
Proは、単体でライブ配信ができ、ハードウェアによる安定した配信が可能である点がウリです。
コントロールソフトウェア
しかし、実際にはATEM Software Controlというパソコン用公式ソフトを利用して配信設定を行わなければならず、ATEM Mini Pro単体で配信できるというのはあくまでも配信開始後の話になります。
ただ、個人的にはノートパソコンを持ち歩かなくなっており、普段はiPad Proを出張先等に帯同していくことがほとんどです。願わくはATEM Mini ProのコントロールもiPadからできるとありがたいのです。しかも、配信設定までできるアプリが欲しい。
探してみたら、有料版ながらありました。
ATEMスイッチャーをコントロールできるTouchDirectorという有料アプリです。価格は4,780円です。
少々UIデザインは殺風景ですが、ローカルネットワーク経由でATEM Mini Proと接続して制御することができます。ただし、IPアドレスは自分で確認して手入力する必要がありますが…。IPアドレスを調べる方法は後述します。
ライブストリーミング配信設定
TouchDirectorはストリーミング配信設定も可能です。
YouTubeのライブ配信設定から必要な情報をコピーして、TouchDirectorアプリの配信設定欄に入力するだけです。
あとは、配信手順に従ってライブ配信を始めるだけです。
(追記)別の新しいアプリはATEMをフルにコントロールできそうです。
ローカルネットワーク
ちにみに、ローカルのネットワーク環境ですが、無線LANポータブルルーターを用意することでATEM Mini Proとは有線LAN接続し、iPad Proとは無線LANで接続することが可能です。
私が使っているのはエレコム社のポータブルルーターで、有線LANポートが2つ付いているタイプ(WRH-583)です。
ただ、有線LANポートが2つあるタイプの製品は2015年頃に発売されたものが多く、今日の最新製品はほとんどがポート1つタイプのものとなっていますので注意が必要です。
また、ATEM Mini Proに割り当てられたIPアドレスですが、基本的にはネットワーク設定から推測したり、簡単に調べることができますが、ネットワークアナライザーアプリを使うことでも接続されている機器のIPアドレスを調べられます。
映像入力
HDMI出力できるカメラ機材を使います。
変わり種としては、iPhoneにHDMI出力ドングルを追加して、カメラ代わりに利用することです。
ただ、このままだとiPhoneの画面がそのまま出力されるだけなので、カメラアプリを使って撮影した映像を表示させていても、シャッターボタンやその他のUI要素が画面に入り込んでしまいます。
そこで、私はiOS用配信アプリのLive:Air Soloを使います。(現在はアプリ名が変わりAirmix Soloになっています。)
このアプリは、もともとそれ自体でライブストリーミング配信できるアプリなのですが、HDMIやAirPlay出力に対しても画づくりしたプログラム映像を流すことができるため、当然まっさらな撮影映像を出力させることもできます。
やろうと思えばこのアプリで凝った画づくりしながらATEM Mini Proで配信させるということもできます。ちなみにiPadの場合はLive:Air Actionという別アプリ(アプリ名が変わりAirmix)がありますので、配信負荷だけATEM Mini Proに任せて、それで本格的にやってしまってもいいかも。
変わり種もう一つは、画面転送ドングルを利用して、いろんなデバイスからの画面転送を切り替えたりする使い方です。
私が利用しているものはEZ Cast 4Kです。いま購入するならEZ Cast Pro2かも知れません。
この手のデバイスは他にも様々あるので、お好みのものを選んで利用すればよいと思います。AppleユーザならApple TVでもよいかもしれません。
長いHDMIケーブルで接続すれば同じことかもしれませんが、複数の端末画面を切り替えて表示させたい場合には、ケーブルをつなぎ変えるよりも楽な時があるかもしれませんし、WiFiが届く範囲であればケーブルに煩わされないというメリットもあります。
発表会や研究会プレゼンで、端末のHDMI出力が会場のスクリーン投影に使っていて塞がっている場合でも、同時に画面転送を設定すれば直接配信に流すことも可能になったりします。シチュエーションによっては便利です。
オーディオ関連
通常であればHDMI入力に接続された機材の音声を利用します。
また、ワイヤレスマイクの受信機をMIC入力に接続して利用することがあります。RODE社のWireless GOは手軽です。
TouchDirectorアプリでオーディオのレベルメーターを確認することができるので、音声の入出力に関して目でチェックすることはできます。
問題は、実際の音声をモニターチェックできないこと。ATEM Mini自体に音声モニター用の出力コネクタが無いことが弱点とされています。
近くにHDMI接続できるモニターディスプレイがあれば、そのイヤホンジャックを利用するという方法もあります。
また、HDMI出力から音声分離ができるデバイスを利用すれば、音声モニター用に利用するという手もあると思います。Amazonで数千円から入手可能だと思います。私はまた品定め中です。
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以上、ATEM Mini ProとiPadの組み合わせでライブ配信をする方法でした。
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