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会社案内の文章術「水産企業編」

会社案内の文章作成法を解説していきます。
今回は、水産関係の企業です。

【1】
○○は、「創業の理念と5つの遺伝子」「サステナビリティ行動宣言」を土台として、ミッション(存在意義)をあらためて定義したうえで、長期ビジョンとして「2030年のありたい姿」を明確にいたしました。

⇒1文が長いです。また、「として」が1文中に重複しています。

<推敲後>
○○は、「創業の理念と5つの遺伝子」「サステナビリティ行動宣言」を土台として、ミッション(存在意義)をあらためて定義しました。その結果、長期ビジョンとして「2030年のありたい姿」を明確にいたしました。

【2】
健やかな生活とサステナブルな未来を実現する新しい"食"を創造していきます。

⇒「未来を実現する」「新しい」などと修飾語が多すぎます。

<推敲後>
健やかな生活とサステナブルな未来の実現を目指し、新しい"食"を創造していきます。

【3】
①「食」の可能性を追求し続ける企業であること
②海に育てられ鍛えられ培われた企業風土を継承すること
③サステナブルな未来を見据えて進んでいく決意

⇒「①し続ける」「③進んでいく」に関して、複合動詞の後項と補助動詞はひらがなにしたほうがよいです。これは「追求し、続ける」と読む可能性があるためです。

<推敲後>
①「食」の可能性を追求しつづける企業であること
②海に育てられ鍛えられ培われた企業風土を継承すること
③サステナブルな未来を見据えて進んでいく決意

【4】
長期ビジョン「Good Foods 2030」の達成に向け、マルチステークホルダーへ配慮して持続可能な社会への価値を創造する"サステナビリティ経営"を推進し、ROIC活用により成長分野へ経営資源を集中する"事業ポートフォリオマネジメント"を強化して、企業価値向上に努めます。

⇒動詞の並列が続きすぎています。改善例「~を達成するために、」
⇒「により、」のように読点があるとわかりやすいです。連用中止法では読点を入れたほうが読みやすくなります。「配慮して」「強化して、」読点のルールがあいまいなので、統一したほうがよいでしょう。
⇒1文が長いです。改善例「~を推進します。そして、」としたほうがわかりやすい。

<推敲後>
長期ビジョン「Good Foods 2030」を達成するために、マルチステークホルダーへ配慮して持続可能な社会への価値を創造する"サステナビリティ経営"を推進します。ROIC活用により成長分野へ経営資源を集中する"事業ポートフォリオマネジメント"を強化して、企業価値向上に努めます。

【引用文献】
「ニッスイ経営方針」<https://www.nissui.co.jp/vision_policy/policy.html>(2023年7月15日閲覧)

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高嶋 幸太(Takashima Kota)
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