会社案内の文章術「繊維企業編③」
会社案内の文章作成法を解説していきます。
今回も繊維関係の企業です。
【1】
「Innovation」は、①企業理念「わたしたちは新しい価値の創造を通じて社会に貢献します」を革新技術・先端材料の提供を通じて具現化すること、②技術の革新のみならず、企業活動の全ての領域で「Innovation」に挑戦していくことを表明しています。
⇒最初に要点を記したほうがよいでしょう。「を」の重複を避け、目的語と動詞は近くに配置しましょう。
<推敲後>
「Innovation」は、次の2点を表明しています。①革新技術・先端材料の提供を通じ、企業理念「わたしたちは新しい価値の創造を通じて社会に貢献します」を具現化すること、②技術の革新のみならず、企業活動の全ての領域で「Innovation」に挑戦していくことです。
【2】
「Chemistry」は、①「化学」を核にして先端材料を提供し、お客様、社員、株主、取引先、消費者、地域社会など、全ての人たちとの良好な関係を保ちながら、新しい価値を創出し持続可能な社会の発展を支えること、②東レグループの各企業や世界各国の事業拠点同士が「連携、融合」することを表明しています。
⇒最初に要点を記しましょう。また、「の」の重複を避けましょう。
<推敲後>
「Chemistry」は、次の2点を表明しています。①「化学」を核にして先端材料を提供し、お客様、社員、株主、取引先、消費者、地域社会など、全ての人たちと良好な関係を保ちながら、新しい価値を創出し、持続可能な社会の発展を支えること、②東レグループの各企業や世界各国の事業拠点同士が「連携、融合」することです。
【3】
「東レグループ サステナビリティ・ビジョン」は、2050年に向け東レグループが目指す世界とその実現に向けて東レグループが取り組む課題を明らかにし、そのマイルストーンとして2030年度に達成を目指す数値目標を示しています。
⇒同じ表現は言い換えましょう。そして、1文を短くするとよいです。
<推敲後>
「東レグループ サステナビリティ・ビジョン」には、2030年度に達成を目指す数値目標が示されています。また、2050年に向け、東レグループが目指す世界とその実現のために東レグループが取り組む課題を明らかにしています。
【4】
会社全体・社会全体にとっての「全体最適」を目指して行動すること、また「個別最適」と「全体最適」を一致させる仕組みづくりが重要です。
⇒名詞修飾に統一し、文をリズミカルにします。
<推敲後>
会社全体・社会全体にとっての「全体最適」を目指した行動、また「個別最適」と「全体最適」を一致させる仕組みづくりが重要です。
【5】
さまざまなプレッシャーや誘惑に負けそうになるときに、大事なことは誠実(嘘偽りなく正しくあること)であり、真摯(真面目で熱心でひたむきであること)であり、そして自分の決めた道を迷うことなく進む強い覚悟です。
⇒主題を示す「は」の後に読点を挿入し、読みやすくします。
<推敲後>
さまざまなプレッシャーや誘惑に負けそうになるときに大事なことは、誠実(嘘偽りなく正しくあること)であり、真摯(真面目で熱心でひたむきであること)であり、そして自分の決めた道を迷うことなく進む強い覚悟です。
【引用文献】
「東レ理念」<https://www.toray.co.jp/aboutus/philosophy.html>(2023年8月3日閲覧)