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Linkin Park 1st "Hybrid Theory" 2000年…いつの間にかCD1000枚近く集まってしまったのでお気に入りのレビュー残しておく

ラップメタル/ニューメタル/ヘヴィロックバンド Linkin Park(リンキン・パーク) による2000年発売の1st
この頃流行りのラップ/ニューメタル的アプローチを基本にきっちり整理整頓された聴き手を選ばないキレイ目サウンドに加え、暴力的な表現やFワードを使わず悲痛で繊細な心情を綴る歌詞が重なりヘヴィロック界の良心として結局3000万枚超えの爆売れで21世紀初っ端から21世紀最も売れたデビュー作という猛烈なスタートダッシュ

そしてLinkin Parkと言えばラップメタル種族に見せかけてメロディと歌が強すぎやないかい…
ということでこのミレニアム前後といえばKornやLimp BizkitのHiphop meets Metalにやれ続けと類似バンドが雨後の筍の如く生える真っ只中で、リンキンもラッパーとDJ擁するバンド形態に短髪ストリートファッションという思いっきりリンプビズキットなビジュで登場したもんやから、やはり小奴らも量産型後発ラップメタルバンドか
とハードル下げて聴き始めるや否やラップで煽った後にめちゃくちゃ歌心のあるシンガーがめちゃくちゃ美しいメロディを思う存分歌い上げるという有りそうで無かったメロディ原点回帰発想の剛速球がまっすぐ胸に突き刺さり、もちろんメタルなサウンドとヒップホップを掛け合わせた手法も大発明でカッコいいことには間違いないものの良メロ美メロも結局心の奥では欲していたんやと自覚再認識

ストリート男子感たっぷりなスプレーアート風のジャケイラスト
アルバムタイトル"Hybrid Theory" は、メジャー契約する前のバンド名だった

1.Papercut ★★★★★
中盤までまあよくあるラップメタルかなと思いきやラストにシーン屈指の歌心スキル有するシンガー、チェスター・ベニントンによる激エモ泣き歌メロが一気に覆いかぶさってくる仕様という1作目の1曲目にしてこやつらリスナー感情煽るニクいプロデュース方法既に分かっとる

2.One Step Closer ★★★★★
1曲目とは打って変わって歌メロがメインでラップがアクセント程度という歌モノロックスタイルで、自分達は歌メロサウンドに絶対的自信持っているでと誇示しているようであり、よってこの2曲でリンキン・パークというバンドの幅のある芸術を上手く紹介している

この金髪ツンツンでタトゥーびっしりの痩身の人物が
ヘヴィロック界随一のシンガー、チェスター・ベニントン
闇を抱えた男による寂寞とした歌声と激熱シャウトは本当に魅力的だった
("One Step Closer" MVより)
一方この赤髪ツンツンの人物がラップ担当マイク・シノダ
ラップだけでなくピアノやギターも弾くバンドのブレイン
赤髪はこの頃だけやったなぁ
("One Step Closer" MVより)


3.With You ★★★★★
このアルバムの中では激しい部類の曲だが汗臭さ泥臭さは皆無、余計な装飾や過度なエゴを抑えたきっちり目ヘヴィサウンドとラップの上でチェスターが伸び伸び歌って叫ぶリンキン勝利の方程式に結局はまる
Ozzfestでこの曲の冒頭からチェスターの長尺シャウトが炸裂し強烈だった記憶が鮮明

4.Points of Authority ★★★
キレの良いギターリフとラップにDJスクラッチやインダストリアルサウンドたっぷりのリズムトラックで揺らすデジタルなラップメタルチューン

5.Crawling ★★★★★
チェスターというシーン最上級のボーカリストがいるから成り立つエモ度高めのバラード調の曲
冷たく機械的なヘヴィサウンドとは対照的に有機的な熱を帯びたボーカルが弾き語りでも通用するであろう美しく物悲しいメロディを歌い上げるスタイルは、例えやれたとしてもここまでのクオリティに到達するのは稀有だと思う

6.Runaway ★★★
都会的で硬質のリズムサウンドと浮遊感のあるメロディによるドライブ感高めのヘヴィロックが颯爽と駆け抜けていく

7.By Myself ★★★
ヘヴィなギターとインダストリアルな機械音で攻める時は攻めて落ち着き払ったラップとリズムトラックで抑える時は抑える抑揚手法で、この手の音楽の常套手段だがそこに加えて主軸はやっぱり歌メロってのが憎いね上手いね

8.In the End ★★★★★
この頃のヘヴィロック界でここまで琴線に触れるメロディを堂々と歌いきるスキルを有していたのが、やはりこのバンドの凄いところ
そのメロディを支えるクールなラップや哀愁誘うピアノ等も抜群なタイミングとバランスで配置されており、Linkin Parkというバンドの音楽を表す代表的な名曲


マイクのラップで煽ってチェスターの歌で泣かす
これがLinkin Parkの音楽の基礎
("In The End" MVより)

9.A Place for My Head ★★★
メタリックなギターリフとブレイクダウンからのシャウトパートという重心低めの曲で、スクラッチやラップだけで終わると凡百な出来になりそうなところにスキル高めのメロディがしっかりと主役に収まるから一気にレベルアップ

10.Forgotten ★★★
クールなラップとR&Bテイストのメロディにデジタル風味のリズムというアーバンな空気の中、ヘヴィなギターとチェスターのシャウト&歌メロが覆いかぶさるリンキン初期要素全盛りな曲

11.Cure for the Itch ★★★
ジョー・ハーンによるDJプレイのインストで、都会的な質感のリズムサウンドにストリングスやピアノサウンドを織り交ぜた卒無くシンプルなプレイでアルバムにアクセントをもたらす

DJ ジョー・ハーン
ライブ中も表情を一切変えず何だかおっかない印象だが
MVの監督・編集やジャケットのデザインにも携わるなど
この人もマルチなアーティスト
("Papercut" MVより)

12.Pushing Me Away ★★★★★
悲しげなギターサウンドや胸掻きむしられる悲劇調のメロディに加え、悲しい別れのシーンで自虐的な精神状態に陥っている様を吐露するような歌詞という悲しみ要素全開の名曲で、この哀愁泣きメロ路線がリンキンの1番の売りだと思う


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