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Linkin Park 8th "From Zero" 2024年…いつの間にかCD1000枚近く集まってしまったのでお気に入りのレビュー残しておく
チェスター・ベニントンを失ったこのバンドの新たなサウンドを聴ける日は訪れることは無いかと思って過去作品リピして過ごした8年後に突如舞い込んできた新ボーカル加入と新作発表と世界ライブツアーという電光石火の復活劇でセールス情報戦略と薄々気付きながらも嬉しさが勝るサプライズ
その新ボーカルのエミリー・アームストロングが女性というインパクトにしてシャウト混じりの力強い歌い方に艶やかさ繊細さも兼ねており、チェスターと比較される運命ながら女性というロープレ2周目主人公性別チェンジと同じくらい初代に寄せ過ぎず離れ過ぎずの丁度いい変化ってのもリンキンらしいバランス感覚鋭いチョイス、更にドラマーも密かに新加入でこのコリン・ブリテンという人物もまた既に裏方プロとしてのキャリアがあるリンキン受けしそうなマルチ系ミュージシャンにして早くも今作の共同プロデュースに名を連ねている
音楽的にはリンキンというバンドの音楽性を全部凝縮したようなコンパクトなアルバムで、ここ数作で展開した音楽的な偏りやコンセプトは無く、あの頃のニューメタルからデジタルインダストリアルからオルタナティブ風ロックから壮大なバラードからR&B領域のメロディチューンまでリンキンブランドのヘヴィロックがバランス良く配置されており、そこに最近のポップなこなれ感も臆することなく導入しキャッチーに仕上げて既存X世代も新規Z世代も納得させるだけのクオリティとアレンジ
決して湿っぽくもならず過去のリベイクにもならずゼロ地点から瑞々しくリニューアル
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小さく真ん中に置かれたデザインのジャケット
1.From Zero (Intro) ★★
ごく短いコーラスみたいなのが流れた後に新入メンバー・エミリーの語りが始まったと思いきや突如ブチッと切られて終わるイントロ
ラスト曲のアウトロと繋がっていて0のループを形成している構成
2.The Emptiness Machine ★★★★★
この曲の出来でマイクは再始動やれると確信したという疾走感と整合性と迫力あるサウンドにリンキンらしい哀愁エモメロディによるヘヴィロック
そしてさあ新ボーカルの歌はどんなもんやろと聴き耳立てても最初に流れるはいつものマイクの歌声で、2番から満を持してエミリーの登場という相変わらず掴みの上手さよ
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各メンバーが音楽以外の職業に就いており
どこか空虚で機械的な日々を送っていたが、
ある日バンドに転生されて音楽かき鳴らするという
リンキンの復活劇と歌詞の内容にリンクしたようなストーリーだ
にしてもブラッドの宅配業者っぷりよw
3.Cut The Bridge ★★★★
オルタナ風味のハードロックサウンドの中溌剌としたマイクのラップに続くは哀愁混じりのメロディというリンキンロック王道の曲
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Dead Saraのボーカリストとして活動していた
少し枯れた声色による繊細さ力強さを兼ね備えた歌唱と
激烈シャウトが魅力
(日本のTV番組"DayDay."出演時)
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世界的アーティストに何やらせとんねんw
4.Heavy Is The Crown ★★★★★
これはライブで確実にハネる最高のアッパーチューンにしてかの"Faint"を彷彿させるドライビングミクスチャーヘヴィロック、エミリーのサビの激アツメロディで聴かせるハイトーンスクリームボーカルと終盤の超ロングシャウトの破壊力よ
5.Over Each Other ★★★★
淋しげなメロディをエミリーが繊細かつエモーショナルに歌い上げるメロディックでオルタナティブなロックサウンドで、決して奇をてらうことなくシンプルに強いメロディを強いシンガーが歌えばチャートも素直に上がる
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"Over Each Other"のMVもいつもどおりジョー監督作品だ
エミリーがパートナーと車中でケンカして
そのまま事故ってしまうストーリー
6.Casualty ★★★
メロディなんてまどろっこしいもんは一切排除した激情ハードコアスクリーモスタイルでエミリーの終始ワイルドなスクリームが耳をつんざく今作1番の異色の曲
7.Overflow ★★★
エレクトロ・インダストリアル要素高めで浮遊系のメロディとサウンド、エフェクトにどっぷり浸かったボーカルが渦巻くディープ系の曲
8.Two Faced ★★★★
ブラッドとフェニックスによる実にニューメタルなヘヴィリフにジョーのDJスクラッチにマイクの煽りラップからのエミリーの強烈シャウトが絡む姿は思いっきり1stの頃を彷彿させるはっちゃけ具合にフロムゼロを最も如実に表現
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9.Stained ★★★
ストンプの効いたヒップホップなビートにR&B系のキャッチーなメロディてなところでメロディ重視路線の前作の経路も軽やかに経由しておりこのアルバムで特にチャート仕様のポップ路線な曲
10.IGYEIH ★★★★
ラップメタルで強い感じのヘヴィサウンドながら哀愁や枯れた感触を存分に纏った美麗メロディのクオリティを保ってくるあたりがリンキンならではの絶妙な甘辛加減の味付けで噛めば噛むほど好きになるタイプの曲
「I give you everything I have」の略
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元々マルチに活動していたプロキャリア十分のミュージシャン
ONE OK ROCKやSixTONESのプロデュースや楽曲作成も行っている
今作はマイク・ブラッド・コリンの共同プロデュース
11.Good Thingss Go ★★★★★
最高のヘヴィドラマティックバラード、この曲を歌うためにエミリーはリンキンにやってきたと言っても過言でないと思える程サビでの感情噴き上がって曇天吹き飛ばすようなエモ泣き歌唱が刺さることこの上無し
アウトロで1曲目と同じコーラスメロディが流れて0のループか繋がる
追伸:
2025/2/12のさいたまスーパーアリーナ「Linkin Park From Zero World Tour」ライブに行ってきました
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Intro.Iridescent アレンジバージョン
1. Somewhere I Belong
2. Points of Authority
3. New Divide
4. The Emptiness Machine
5. The Catalyst
6. Burn It Down
7. Over Each Other
8. Waiting for the End
9. Castle of Glass
10. Two Faced
11. ジョー・ハーン DJソロ
12. When They Come for Me / Remember the Name (マイクのソロ曲)
13. Keys to the Kingdom
14. One Step Closer
15. Lost (バラードバージョン)
16. Good Things Go
17. What I've Done
18. Overflow
19. Numb
20. In the End
21. Faint
アンコール
22. Papercut
23. Lying From You
24. Heavy Is the Crown
25. Bleed It Out
最初の"Somewhere I Belong"の、あのイントロが鳴った時点で感動と興奮爆上がり、"The Catalyst"の神々しさで眼球の貯水率は限界値超えました
エミリーの声に合わせてキーが変わった曲もあったが違和感は最初だけ、そしてそのエミリーの"Faint"や"Heavy Is the Crown"でのシャウトが激烈凄かった
エミリーやマイクがジョーのDJセットで遊んだり、そのジョーが"Burn It Down"のラストの演奏とちったのをキャハハとエミリーが笑ったり、そのジョーがハードコアチューン"Keys to the Kingdom"で仕事が無いせいかカメラ持って演奏中のメンバーに絡んだりと和気あいあいな様子も何だか微笑ましい
隠れた名曲"Lost"がピアノバラードバージョンでしっとり始まったのはよかった、なので"One More Light"のアルバムの曲をやらなかったのはちと残念、エミリーの声で歌ものバラード聴けたら感動ひとしおだろうに
なおギタリストはブラッドでなくツアーサポートメンバー
開演前にポケモンの曲流れていたり、ライブ中もメンバー同士でピカチュウがどうのこうの話していて、そう言えばチェスターがポケモン好きだったとのことでマイクもソロ作品のライブでピカチュウの着ぐるみ着て出てきた記憶が蘇る
寒空の下1時間以上並んで物販買ったのもいい思い出です
チケットはくっそ高額だったもののほんま行ってよかった、死ぬまで覚えているであろう人生の思い出がまた1つ増えました
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天井から床まで貫くレーザーや、このキューブ型のビジュアル装置など
視覚効果もリンキンらしくなかなか凝ったものだった
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半分くらいの商品が売り切れていた
場外なのでチケット持っていない人も買えたからかな