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父ちゃん82日目~「仕事と家事育児、どっちが大変?」〜
育児が始まると生活が子ども中心になる——そんな話をよく聞くが、それは心太朗と澄麗にも当てはまった。生後2か月の健一を中心に、生活リズムが一変。しかし意外にも健一は規則正しく眠り、心太朗は朝型生活にシフト。早朝の数時間が最高の執筆タイムになるという発見も。育児と仕事、どちらが大変かなんて議論は不毛。ただ、大切なのは「お互いが思いやりを持ち、助け合うこと」。そんな日々を、心太朗は今日も楽しんでいる。
**父ちゃん82日目(2月6日)**
「子どもが生まれたら生活は子ども中心になる」なんて話をよく聞くが、それはまさに心太朗と澄麗にも当てはまった。
健一(生後2か月)を中心に、生活のリズムがガラリと変わったのだ。
だが、ありがたいことに健一は意外と優秀で、ある程度規則的な生活をしてくれている。
深夜0時前後にミルクを飲ませると、朝までぐっすり。
「これは助かるな」なんて思いながら、夫婦ともども夜はまともに寝られるようになった。
心太朗は朝6時に起きる。これは健一が起きるのを待つためだ。
ついこの間まで夜型だった自分が、健一のおかげですっかり朝型人間である。
こういうのを「育児の恩恵」と呼んでいいのかは知らないが、とにかく朝は早くなった。
健一が起きるまでの時間、心太朗は日記小説を書く。
そこで一つ気づいたことがある。
——起き抜け5時間が、集中力のゴールデンタイム。
これはまさに盲点だった。
仕事を辞めてからというもの、「朝はぼーっとする時間」だと思い込んでいたのだが、それは単にぼーっとする習慣があっただけの話。
試しに起きて即作業を始めたら、びっくりするほど捗るではないか。
そういえば、サラリーマン時代も最初の5時間がピークで、残りの時間は惰性で立っていた。
そんなことを考えながら日記小説を書き終えるころ、健一が目を覚ます。
だいたい8時頃だ。
準備していたミルクを飲ませる。
健一は「俺の朝メシをよこせ!」と言わんばかりに必死に飲む。
飲み終わると、彼は二度寝に突入する。
この二度寝がありがたい。健一は昼頃まで起きない。
その間、心太朗は日記小説の続きを書いたり、X(旧Twitter)を更新したり、フォロワーの近況をチェックしてコメントしたりする。
そして、一応念のため求人をチェックする。
念のため、ね。
——この「念のため」がいつまで続くのかは考えたくない。
10時ごろになると澄麗が起きてくる。
11時には育児のバトンタッチ。
とはいえ、健一はまだ寝ているので、特にすることはない。
ここで昼食をとって、昼寝タイムだ。
「5時間集中したら1日前向きになれる」とか、意識高い系みたいなことを言いながら、堂々と昼寝をかます。
13時に起きて身だしなみを整えたら、14時ごろ家族3人で散歩。
行き先は基本的に澄麗の指示のもと決まる。
「今日はポイント5倍デーだから〇〇スーパー」
「15%オフの日だから××ドラッグストア」
……うん、正直どこでもいい。
でも、近い店のときは心の中でガッツポーズをする。
散歩中、健一はだいたい抱っこひもの中で寝ている。
揺れが気持ちいいのだろう。
まるで高級なゆりかごに揺られる王子様のような顔をしている。
16時頃には帰宅。
18時半に晩ご飯。
家事をやったりなんやかんやして、21時ごろに健一をお風呂に入れる。
そして、ドラマを観たりして、0時ごろに家族3人で就寝。
こうして、ルーティンが出来上がった。
——さて、ここでちょっとぶっちゃけよう。
「心太朗、仕事より家事育児の方が向いている説」
正直なところ、仕事より家事育児の方がはるかにストレスが少ない。
「いやいや、育児って大変なんじゃないの?」
そう思う人もいるかもしれないが、心太朗的には「仕事の方がしんどかった」。
もちろん、ワンオペではないからというのもある。
しかし仮にワンオペだったとしても、仕事よりはマシな気がする。
世間では「家事育児より仕事の方が楽」なんて意見を聞くことがあるが、おそらく人による。
仕事と家事育児、どちらが楽かなんて議論は不毛だ。
どんな仕事なのか、どんな子供なのか、自分はどんな性格なのか。
結局、それ次第なのだ。
大事なのは「お互いが思いやりを持って助け合い、協力し合い、感謝し合うこと」。
「どっちが大変か」より「どうすればお互い気持ちよく過ごせるか」を考えた方がいい。
そんなわけで、心太朗は今日も家事育児に励む。
家族と一緒に過ごせる時間が楽しくてならない。
仕事のことも考えなきゃいけないけど……
まぁ、それは明日考えよう。