情報化社会で日本の教育が培うべき能力
前回は、現在の日本が主流として行っている五教科中心主義について、どの様な経緯でこの教育制度が成り立っているかを下記の記事にまとめました。
今回は、現代の教育が子供たちに培うべき能力について簡単にまとめていきたいと思います。
現代の子供たちが培うべき能力
まず現代の子供たちが社会に出る上で身につけなくてはいけない能力が何かを説明するには、現代を取り巻く環境の話をしなくてはいけません。
現在の日本をはじめ世界を取り巻く環境としては、インターネットの発達により超高度な情報化社会に突入いたしました。
それまで答えのある問題をどれだけ多く解くことができるかという、いわゆる暗記を中心とした能力が社会の中において必要な能力でした。
しかし、現代社会ではインターネットが発達したことにより答えはインターネットを介して調べれば容易に出てくる状況となったため、たった一つの答えを探す能力よりも、膨大な情報を収集・分析した上で独自の考察のもと、問いを立てる能力の方が重要になってきました。
それもそのはず、現代人が1日に受け取っている情報量というのは、江戸時代の頃で言うと1年分の情報量に相当し、平安時代で言うとなんと一生分の情報量であるとも言われているからです。
そして、それに輪をかけてスマートフォンが普及したことで、僕らはいよいよ休むことなく情報の大洪水にさらされ続ける状態となってしまったのです。
これは、人類が経験したことのない状態ですので、そこに人間が対応しきれていないと言える状態なのです。
そんな情報サバイバル時代においては、知識を貯めるよりも如何に溢れんばかりの情報量の中から必要な情報を精査し、それらをどの様に活用できるか、体系立てて考える力が必要なのです。
ここで重要なことが必要な情報を精査するときにフェイク情報かどうかを見抜く「メディアリテラシー」といった力であったり、そこから取捨選択して選び抜いた情報同士を最適な組み合わせにする「情報編集力」が必要になります。
ちなみに情報の精査をする上で有効な方法の一つに、情報を「寝かせる」という方法があります。
これをすることで時間的な猶予を与えられるため、冷静に判断することが可能となります。
ですので、企画や成果物などを作った際に、形として出来上がってすぐに見せたり送付したりするのではなく、1日寝かせて改めて見てみるということをすると思わぬ気づきを得られることがあり効果的です。
さらに、ある事象に関して論理的に筋道を立てながら考えていく「ロジカルシンキング(論理的思考)」や、前提となる事実を多角的・論理的に考える「クリティカルシンキング(批判的思考)」などの考え方も社会を見据えた上で重要なスキルの一つになっています。
例えば、新規事業を考える際に、まだ解決されていない問題を自分で導き出し、その解決法を考えるケースでは、この様な力が必要になってくるからです。
ですから、学校のテストも問いを自分で立てさせるところからテストしなくてはいけませんし、その際にインターネットを使っても良いなどで実社会に近い状態でのテストをしていかなくては、実践的なスキルの評価を正しくすることは難しいと言わざるを得ません。