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「サウナのぷりンセス」サウナ姫に感謝を

私はサウナが苦手だった。

というより、幼い頃の経験から近づかないようになったと言うのが正しいのか。

幼少時代、時々叔母夫婦が健康ランドに連れていってくれた。

でっかいお風呂に入ってド派手なムームーを着てご飯を食べてのんびり過ごす。うろ覚えながら楽しかった記憶しか無いが、健康ランドで唯一これはムリ!と思ったのがサウナだった。

お風呂の後に叔母についていってサウナに入った時だったと思う。

幼い頃から耳が弱かった私の鼓膜が、
サウナに入った途端に強烈な熱によって圧迫されてブワッと抑えつけらた感覚だった。

その後にすぐにサウナを出たかどうかは全く覚えてはいないが、
それ以来鼓膜のブワッが怖くてサウナには足を踏み入れていなかった。


ここ何年か前からサウナが流行り始めた。

流行りにのった訳では無いのだが、いつの頃からだろうか、旦那さまがサウナに頻繁に通うようになった。

男性限定のサウナに行く場合は無理だが、温浴施設には私も一緒についていくことがある。
旦那さまは温浴施設内のサウナをメインに過ごすのだが、私は温泉やお風呂を楽しんで過ごした。サウナだけはやっぱり近づかなかった。

旦那さまが世に言う「サウナー」と化してからはサウナ系のYouTubeを観ることが増えた。

自分がサウナに入るのは無理でも、サウナ関連の番組を観るのは本当に楽しいから好きだ。

色々なYouTubeを拝見するようになって気になる女優さんを発見する。清水みさとちゃんという。

サウナに入った時、彼女の口から発せられるワードセンスは素晴らしく独特で、ついつい画面に見入ってしまう。

強烈に冷たい水風呂から出るやいなや「足が手遅れ」だとか、
サウナ後の休息中、ととのっていく時間帯に発せられた「奏でてる」だとか。

サウナに心身没頭するみさとちゃんを見ていると、私が感じたサウナイコール恐怖という感情とは対極にいる気がしてなんだか羨ましい。

そんなみさとちゃんは、サウナ好きが高じて全国のサウナを巡っているようで

サウナの特番や旦那さまが購入したサウナ専門誌でこう証言していた。

恵みの湯には岐阜に行くと必ず訪れると。

なんですと!?!?!

旦那さまと時々行く温浴施設ではないか。

恵みの湯。一見オシャレなカフェかと見違える外観のハーブに特化した温浴施設である。

みさとちゃんが外せないと言っているサウナを今まで私はスルーしてきたと言うのか。むむ。

私の中の私が、一歩踏み出してみないかと囁いた。次に恵みの湯に行った時はサウナに入ってみよう。

恵みの湯のサウナは、ととのい生ハーブと言われる日替わりのハーブが店頭に飾られている。
私の本格的サウナデビューの日のハーブは、確かよもぎだった気がする。

驚くべきは、あれだけ無理だと言ってきたサウナにすんなり入れてしまったことだ。

熱が耳を襲ってこない。息苦しくもない。

ほんのりとよもぎの香りが蒸気で充満しており、無理せず自然に座っていられる。

2セット、3セットと重ねていくうち身体の表面からではなく芯から温かくしてくれる。

調子に乗って、みさとちゃん座り(みさとちゃんがサウナで体育座りをする姿勢)をしてみると、なんだかサウナに没頭出来る気分。

サウナーが口々に言っている「ととのう~」とはなんぞやと思っていたけれど

日々あーだこーだと考え過ぎてがんじがらめにしていた紐をほどくような感覚、そんな感じなのかなあと自分なりに理解した。

その日を境に私は、サウナの長年に渡る偏見に謝罪をした。

恵みの湯以外にも、色々なサウナを楽しめるようになってきている。髪や耳の保護にもなるからと、旦那さまがマイファーストサウナハットとサウナマットを買ってくれた。始まったばかりのサウナライフはウキウキワクワクだ。

子どもには熱過ぎる設定だったのか、何度も手術して少し鼓膜が強くなったからなのか。

なんにせよ、幼い頃の恐怖にさようならだ。

ただ、耳の持病によるめまい、鼓膜の圧迫などが気になる日も少なくないので、そこは自分の身体と相談しながらのペースだ。

私にサウナデビューの機会を与えてくれた清水みさとちゃんの著書、サウナのぷりンセスが手元に届いた。

よく行くサウナに持ち込んで読みたいくらいに愛おしい言葉が詰まってる。(もちろんサウナに持ち込んだりなんかはしませんw)

のっぴきならない事情でサウナに入れない時期にも、いつでも私の側にいてくれる。そんな大切な存在になりそうだ。

ありがとう、サウナ。

ありがとう、みさとちゃん。


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