お陰様と感謝のはなし
お陰様という言葉は結構好きな言葉。
どうも!
みなさんのお陰様で今日までnoteを続けてこれています。
音楽家のこうたろうです。
日本の神道には現在様々な流派がありますが、基本的には自然界と八百万の神との繋がりを大切にしています。
さて、伊勢神宮でも行われている御神楽ですが、御神楽の楽曲の龍笛パートを師匠にお稽古をつけてもらっているときにこの"お陰"の話を教えていただきました。
お陰をいただき、感謝を返す
平安時代から宮中でも行われていた神事である御神楽は、楽曲や舞のライセンスなど、若干複雑な部分もあるものの、最も伝統的な御神楽は伊勢神宮で体験することができます。
今では祈願という形で、家内安全や受験祈願など様々な形でお願い事をしに行くこともあるかと思います。
しかし、すでに私たちはお陰をいただいているという概念が神道にはあります。
仕事でなにかうまくいった。
試験を突破した。
と、節目となるお陰も当然ですが、『お陰様で今健康である』という感謝の気持ちも神様に伝えるというのが御神楽の本来の儀式でもあると教わりました。
因果の順番は重要ではないということ。
今、生きている、今健康で過ごせている。
日常の荒波に揉まれて生きているとこれらが当たり前になってしまいます。
失って初めてすでに持っていたものに感謝しなければと気付かされるもの。
お陰で健康です、お陰で仕事がうまくいっています、お陰で今日もご飯が美味しいです。
その感謝を気軽に伝える。
"神様またよろしくね〜的な感じで御神楽やっちゃう"感じでいいんだ。
と学びました。
しかし、これ、誰のお陰様なんでしょうか?
神道では神様とはあなた自身のこと。
参拝に行くと、鏡が置いてあるかと思います。
八百万の神々の中にはあなた自身もいることを忘れてはいけません。
実はこれ、哲学者の釈迦も似たようなニュアンスのことを語っています。
自然、つまり神々からお陰をいただき、感謝という陽を送る、それは八百万であるあなた自身が受け取る、そしてまたお陰が生まれる。
お陰と感謝がそうやって循環する。
こういう神道の概念って素敵だな・・・と思います。
陰と陽のバランス
この世界だって、芸術の世界だって常に陰と陽のバランスで回ります。
芸術の陰と陽
ポートレート撮影をしてみるとすごくわかりやすい。
陽しかないライティングでは写真は撮れませんし、逆も然り。
陰しかない写真は真っ黒です。
また、ポートレートの面白いところは人間の内面のライティングも必須になるということ。
ここでもやはり陰と陽のバランスを撮りながら撮影していくことで、人、そして表情がとっても人間らしく美しく輝き出します。
陰が強すぎてもだめ。
逆も然り。
音楽だって同じ。
在る状態(陽)と無い状態(陰)のコントラストがリズムを生み出し、和声を生み出し、感情を生み出します。
これらの陰と陽のバランスを司るのがアーティストの役目の一つといっても過言ではないでしょう。
自然界
夜が来るから朝が来る。
ずっとお天気だったら大地が干からびる。
身体は雑菌まみれだから常在菌が強くなる。
極寒だから私たちは炎を見て感動する。
あなたの陰を愛して欲しい
自分自身の内面に好きになれないところがあったり、気になるところがあったり、嫌な面があってもそれを取り除こうとせず、陰を思いっきり愛して欲しい。
というのは一人の芸術家としての考え。
対局にある美しさを輝かせるためにお陰様を大切にしてみてはいかがでしょうか。
そのコントラストこそが人間にしか描けない壮大なアートであり、人間だからこそ楽しめる。
この世界を楽しむコツなんじゃないか?と思うわけであります。