【グリーフケア】想いを届ける手紙〜ゲシュタルト療法
大切な人を亡くした喪失感。
これは本人にしかわからない感情です。
その喪失感を軽減させるために、手紙を届けるという手段はグリーフケアの中でも大変有効な方法の一つとされています。
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ポイントを整理
このワークは非常にシンプルで簡単です。
亡き大切な人へ想っていること、考えていること、質問、なんでもいいのでお手紙を書いてください。
1、気持ちの整理をし想いを伝える。
2、大切な人へ語りかける。
3、怒りがあっても吐き出す。
4、読み返してみる。
これは昔から日本にもある遺影に話しかけるというメカニズムにも共通する点があります。
亡き人へ想いを伝えることはとても大切なこと。
それだけ人間は『伝える』という行為が重要であると言えます。
紙とペンで伝える
このグリーフワークはパソコンやスマホでもできます。
しかし、実際に紙とペンで書くことによって心に開いた喪失感をしっかりと意識することができますので、できれば実際に手を動かして書きましょう。
書くという行為はやはりキーボードなどでタイプするのと使っている脳が違っていたりします。
大切な人を思い出せるモノや思い出の品を用意しながらしっかりと語りかけるような文章で想いを伝えてください。
そこにいて会話を投げかけるように伝えていくのがポイントです。
たとえ言葉が見つからなくても、楽しかったり悲しかったりした思い出を語り合うだけでも素敵な時間になります。
でも決して無理はしないようにしましょう。
苦しくて悲しい思い出が蘇ってきた場合はこのセルフケアを中止してください。
そして冒頭で紹介したバタフライハグを実践しましょう。
怒りの感情を捨てる
怒りの感情が湧き上がってきた場合、その手紙は破棄してしまいましょう。
辛い思い出や怒りの感情が沸き起こる思い出はここで縁を切ってしまいます。
ゲシュタルト療法
この大切な人に手紙を届けるワークはゲシュタルト療法の「エンプティ・チェア」というワークとも関連しています。
ゲシュタルト療法は心理学者・精神科医のフリッツ・パールズ氏によって創設されました。
エンプティ・チェアは自分と対峙している空の椅子にイメージを浮かび上がらせて言葉を投げかけたり、話したり、会話のやり取りをしていくワークです。
ゲシュタルト療法が社会から危険だと思われたり、怖いイメージがあったりするのはこのエンプティ・チェアの技法だったりします。
時にイメージに没入しすぎてしまうことも多く、エンプティチェアとの対話がが進んでも対話を続けることを推奨されているためだと思われます。
フリッツ・パールズ氏による様々なワークセッションの中では時に憑依的に見えるようなセッションの記録もあるため「危険」「怖い」といったイメージがあるかもしれませんが、エンプティ・チェアは日常生活でも非常に馴染みが深いワークであり、安全であると言われています。
冒頭でも紹介した遺影に話しかけたり、一緒にお酒を飲んだりという行為をイメージしていただければ危険ではないことがわかります。
フリッツ・パールズについて
1893年7月8日、ベルリン生まれ。
1920年代から1930年代にかけて、ドイツで精神分析学を学ぶ。
ウィーンにてジークムント・フロイトに師事。
しかし、フロイトの方法に不満を感じ、独自の治療アプローチを探し始めます。
アメリカに移住したパールズはニューヨークで精神科医として働きます。
その中でゲシュタルト療法のアプローチを開発。
1951年に最初の著書「ゲシュタルト・セラピー:アプローチとプロセス」を出版しました。
代表的なテクニックには、「エンプティ・チェア」や「ダイアログ」などがあります。
まとめ
エンプティ・チェアのメカニズムを使った亡き人へ手紙を届けるワークは、あとで読み返してもその都度効果を感じます。
ご家族やご両親の場合は自分自身の過去を見つめることもでき、新しい発見、そして過去のトラウマを整理することにも繋がります。
喪失感に苦しんでいる方は是非試してみてください。
そして繰り返しますが、辛くなったら必ずバタフライハグで自分自身を癒してあげてくださいね。