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おにぎりというすごい料理

日本の料理は奥が深い。
世界のほとんどの美味しい料理は旨味+油+塩あるいは、砂糖+油なのに対し、日本料理はそれらの枠組みでは捉えられない複雑な味構成となっている。

中でも際立って特別な存在がおにぎりという存在のように感じます。

それは、日本という哲学が詰まった料理なのであります。

そのまんまでも美味しい、焼いても美味しい、冷凍保存もできる、常温でも結構保存できる、形状も自由自在なので高い携帯性を確保でき、食後のゴミはサランラップ一枚。

グルテンフリーで食物繊維も取れる。

創った人の想いや愛情まで保存できる。

こんな素晴らしい料理、世界を見渡してもなかなかないですよね。



レシピ

手に塩水をつける、あつあつの米を、握る。
以上なのであるわけですが、何がそんなにすごいのかといいますと、握った人の想いが味として残るのであります。

お腹が空いた時の愛情が注がれたおにぎりよりもうまいものは世の中にないと個人的に断言できます。

死ぬ前に最後、何を食べたいか?
即答で答えられます、おばあちゃん(母)の握ったおにぎりです。
そんなおばあちゃんは死ぬ前に何が食べたいか?「うどん」でした。

個人的には、豆おにぎりが好み。
豆を入れて米を炊く。

すると植物性のタンパク質までしっかり取れる。
豆からは豆腐や味噌という非常にアーティスティックな料理を作ることができますが、やはり豆のごろごろ感はそれはそれで最高なのであります。

割合は?
玄米、白米、大麦、もち米が理想。

ちなみに基本的に無農薬が理想ですが、玄米は無農薬が必須です。
現代で白米にする理由は、農薬を落とすため。
そのため白米はギリギリ減農薬でもOKでしょう。

大麦は農薬を使わなくても育ちますから、逆に無農薬がデフォルトであると思います。



おにぎりの歴史と起源

せっかくなので、教養程度におにぎりについて知っておきましょう。

おにぎりの起源は弥生時代(紀元前300年頃〜紀元後300年頃)にまで遡ると考えられています。
この時代には、炊いた米を握った形跡が出土しており、保存食や携帯食として利用されていたと推測されています。

例えば石川県で見つかった弥生時代の遺跡からは、握られた形跡が残る炭化米が発見されています。

平安時代(794〜1185年)

この時代は、「屯食(とんじき)」と呼ばれる、米を握ったものが登場しました。

屯食は、武士や旅人が戦や旅の際に携帯する保存食として利用されていました。

現代のおにぎりと違い、塩や具材が入っているわけではなく、単に炊いた米を握ったものだったと考えられています。



鎌倉時代〜室町時代(1185〜1573年)

武士の台頭により、おにぎりは戦場での携帯食として広まりました。

鎌倉時代には、現在のような三角形ではなく、丸い形をしていたと考えられます。



江戸時代(1603〜1868年)

この時代から塩で味付けされるようになり、腐敗防止の役割を果たしました。

また、梅干しや昆布などの保存性の高い具材も使われるようになりました。

江戸時代中期以降には、浅草海苔の発達により、海苔で包むスタイルが普及しました。

これにより手が汚れにくくなり、携帯性がさらに向上しました。



昭和時代(1926〜1989年)

コンビニの登場: 昭和40年代後半、コンビニエンスストアが普及し始めると、包装されたおにぎりが販売されるようになりました。

特に、海苔が湿らないように包装する技術(フィルム包装)が開発され、現在のような手軽で美味しいおにぎりが販売されるようになりました。



手で握らない現代

現代ではサランラップで包むのが当たり前になりましたよね。

ここに関しては文句をいうつもりはなく、衛生的に考えると当たり前のことであると思いますが、やっぱり素手で握ったおにぎりって美味しいんですよね。

型にはめて成形して押し込むという、米に手が一切触れなくても完成するようにもなりました。

でも、おにぎりの魅力、つまり愛情を精一杯こめやすい、反映しやすい、そういう視点において、いまいちど素手で作る料理としてのおにぎり文化、復活させてみるのはいかがでしょう?
まずは家庭から。

お母さんの握ったおにぎりは本当に格別なんです。