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2025年最新ロボットの今~米中技術覇権争いからNVIDIA Jetson Thorまで

2025年、ロボットテクノロジーは「産業革命以来の最大の変革期」を迎えています。

AIの進化、量子コンピューティングの実用化、生体融合技術の台頭により、現代のロボットは「道具」から「パートナー」へと変貌を遂げつつあります。

AIの世界では、先日deepseek R1の登場が世界を騒がせました。

本記事では、世界の最新ロボット事情を俯瞰し、特に米中両国の技術競争に焦点を当てながら、未来社会を形作るロボット像を探ります。

最初に現時点での世界のロボットを紹介しますが、これらは大きな軸となるロボットであり、派生する類似のロボットはすでに世界中で実用化されています。

未来への展望としてはやはり介護業界での自動化、ロボット化に個人的には興味がありますので、後述します、人工筋肉ロボットのカテゴリーで、未来の介護について考察していきます。
後半ではエヌビディアのJetson Thorについても触れていますので、是非最後までお付き合いください。





米中ロボット技術の比較分析

米中のロボット技術競争でいうと、やはり軍事利用のものになってくるかと思います。
すでに世界ではターミネータの世界観が現実のものとなっており、攻撃型のドローン(有人操作)や、自立歩行型なども実践で使われているそうです。


米国

特にBoston Dynamicsのロボットは老舗のメーカーであり、ソフトバンクの孫さんも莫大な投資をしていることで有名です。

自立歩行といっても今では忘れ物を届けてくれるレベル。



Intuitive Surgicalの5G対応手術ロボット「da Vinci 6G」システムも古くからあるシリーズで、現在ではまだ人力での操作が基本ではありますが、医療の世界も診断はすでにAIの方が信頼がおけるということで、ドクターもAIの診断を頼りにしている人が多いと聞きます。


Tesla Botの動画もどこかで見たことのある方も多いのではないでしょうか?

一昔前にSFの世界にしか存在しなかったようなロボットが現実のものとなっています。



中国

中国はDJIのドローン技術が世界一となり、他の追随が不可能なほどの技術力にまで高まっていますので、今後もドローン関係のロボットが主流になってくるのではないかと思います。


  • 社会管理システムとの統合

    • UBTECH:顔認識搭載警備ロボット「Walker X」が「社会信用スコア」と連動。違反者への警告機能を実装。

    • DJI:ドローン群制御システム「SwarmMaster」が交通監視に導入。1000機同時飛行を可能に。

  • 製造業の垂直統合

    • SIASUN:半導体製造ロボットがTSMCとの提携で3nmチップの組立て精度を±0.1nmに改善。

    • Xiaomi:家庭用ロボット「CyberDog 3」が中国市場で100万台突破。価格は米国製品の1/3。

Xiaomiなどは、筆者もスマホで利用していますが、近年のテクノロジーの躍進は目覚ましいものがあります。

サイバードッグなども、米国製に比べると徹底したコストカットがされており、自宅の警備やセキュリティーに導入する家庭が多いそう。


最新の映像はYoutubeでは取得しにくく、2025年時点ではさらに進化していると想像できます。

一方で中国でもダビンチのような装置はあり、こちらMicroPort MedBotというものがあります。




人工筋肉ロボット

Fiber-Reinforced Elastomeric Actuators(FREAs)は、ソフトロボティクス分野で使用される柔軟なアクチュエータです。
これらは、エラストマー(ゴムのように柔軟なポリマー材料)と繊維補強材(通常は高強度な繊維)を組み合わせた構造を持ち、従来の硬いロボットとは異なる自然で柔らかい動きを可能にします。

特に、FREAsは空気圧や液圧を動力源として用い、伸縮や曲げ、ねじりなどの動作を実現します。

つまりほぼ人間と同じ動きを再現できるというわけですね。
高強度の繊維(ケブラーやナイロンなど)がエラストマーを補強し、形状や変形の方向性を制御します。

この人工筋肉ロボットは既に実用化が進んでいる分野であり、特に、ソフトロボティクスやウェアラブルデバイス、リハビリ支援ロボットの分野でプロトタイプや製品として活用されています。

深刻な人手不足として知られる介護業界。
個人的には長年在宅介護を続けてきたこともあり、介護の分野に期待しています。

特に車椅子の移乗、体位変換、おむつ交換など介護者の筋肉に負担のかかる作業をロボットが担うようになれば、そして事故率を極限まで減らすことができれば、超少子高齢化社会も乗り越えられるのではないかと思います。

冒頭で紹介したAgility Roboticsの「Digit」レベルのモノを運ぶだけのロボットでさえも、随分助けになる方は増えるのではないでしょうか。

介護に期待される導入事例10個

最新の介護ロボットの導入事例としては以下の10例が紹介されています:

  1. 移乗支援ロボット:ベッドから車椅子への移乗をサポート。

  2. 歩行支援ロボット:歩行訓練や移動を補助。

  3. 排泄支援ロボット:トイレへの誘導や排泄動作の支援。

  4. 見守りセンサー:利用者の動きを検知し、異常時に通知。

  5. コミュニケーションロボット:会話やレクリエーションを通じて精神的ケアを提供。

  6. 入浴支援ロボット:安全な入浴をサポート。

  7. 食事支援ロボット:食事の摂取を補助。

  8. 服薬支援ロボット:服薬のタイミングを管理。

  9. リハビリ支援ロボット:運動機能の回復を促進。

  10. 介護記録支援システム:介護記録の自動化。

4,8,10に関しては簡単なプログラミングで現在でも活用可能ですよね。
あとは、事業所や施設が思い切って導入するかどうか。
介護記録や服薬管理も人力でやっている施設はまだまだたくさんあります。

現状例えばフランスでは、介護ロボット「KOMPAÏ」が37の介護施設と12の病院で導入されていたりしています。


まだまだ簡単なプログラミング程度のロボットですが、今後ますます進化していくことでしょう。


人間とロボットの新たな関係性へ

2025年のロボット技術は、もはや「機械」の枠を超えています。
米中の覇権競争が技術革新を加速させる一方、倫理や雇用問題といった社会的課題も山積みです。

次なる10年で問われるのは、テクノロジーの進化そのものではなく、「人間らしさと機械の調和」をどう設計するかでしょう。


自分で考えて行動するを実現するNVIDIAの「Jetson Thor」

AI業界のトップを走り続けるNVIDIAが構想Jetson Thor。
これはロボットの脳みそと説明するとわかりやすいでしょうか。

ロボットの存在を次なる高みへと導くためのテクノロジーです。

例えばこちらのロボットはボストンダイナミクスのモノ。

脳みそ、つまり自分で考えることはまだできていないのがわかるでしょうか。

ここに脳みそ、つまりAIが搭載されることで、自分で考えて判断して行動するロボットが誕生するわけです。

こうなってくると、まさにターミネーターの世界ですね。

NVIDIAの「Jetson Thor」が搭載された、先述したような自立歩行型のロボットを想像してみてください。

🤖 「Optimus(オプティマス)」 → テスラが作っている、人間みたいに歩いて働くロボット
🤖 「Digit(デジット)」 → 箱を運んだり、物をつかんだりするロボット
🤖 「Boston Dynamicsのロボット」 → 走ったりジャンプしたりできるすごいロボット

こんなロボットたちが、「Jetson Thor」で動く世界。

自動運転技術は世界を見渡せばすでに当たり前になりつつありますが、Jetson Thor搭載のOptimusが病院に付き添ったり、買い物に付き添ったり。

Jetson Thor搭載のBoston Dynamicsのロボットが手術をしたり・・・

面白い世界が広がっていくと思いませんか?
ここまでくると重要になってくるのが、意識とはなにか?という点になってきます。

これだけ膨大な情報を得たロボット、AIが搭載されたロボット、人工筋肉がついているロボット、人間との違いはなにか?
単なる倫理観だけの違いなのか?

いいえ、倫理観は学習することが可能です。

であれば、最終的に海外ドラマ「ウエストワールド」のように、違いがなくなるのかもしれません。

しかし、量子物理の感覚で考察すると、この現実世界を創造することができるのが人間で、できないのがロボット。。。と分けることができるのではないでしょうか。

未来の世界が楽しみですね。