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歌は、修行で、修行は、つらい。だから。

4月になる。1年8ヶ月に渡り作ってきた、シンガーleift(レフト)名義のファーストアルバム『Beige』が、来週4月5日(水)にリリースされる。

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今回はライブの話を一旦お休みして、アルバムリリースに向けてまさに今思うことを書いていく。初めては一度しかないから、自分のためにも備忘録として書けたら嬉しい。

変化を受容する

結論から先に言うと、僕はアルバム制作を通じて新しい自分を探した結果、巡り巡って元々つちかった自分を順目に進化させることになった。

シンガーと作曲家名義を分けた背景

詳しくは過去のnoteに書いているのだけど、

僕にとって歌は、
自分の心の中にある気持ちを社会と繋げてくれるもの。

インストだと、自分が思うことが思った通りには必ずしも伝わらない。だから言葉にして、声に乗せて自分の気持ちが届くべき人により届くようにと、僕はleiftという名義で活動を始めた。

歌は僕にとって「方法」であり、根っから歌うことが大好きな人を羨ましく思いながら、僕は「伝えられる自分」「新しい自分の側面」を探して今も生きている。作曲家・プロデューサー気質を活かして俯瞰しながらサウンドを組み立てていくKOTARO SAITOという名義では作らない、歌や言葉が中核をなす音楽をleiftでは作ってきた。

leiftとして音楽に対峙すると、より自分の内面にフォーカスして曲のコンセプトを組み立てざるを得ない。当初は「より自分の内面はleift」「広くテーマを扱えるのはKOTARO SAITO」と区別していたけれど、今の率直な気持ちを言葉にするならば

  • leiftは辛く険しい「修行」

  • KOTARO SAITOは、気楽に音楽を作れる「救いの場」

なんて思ったりしている。KOTARO SAITOというプロデューサー名義では、クライアントワークやアーティストプロデュースを経験しているからこそ、「自分に入りすぎない訓練」が成熟している。

曲を作る上でどこか「他人行儀」とも言える発言かもしれないけれど、言葉がない音楽を作る時点で僕は「主役は聴き手」あるいは「映像やショーなどのコンテンツそのもの」と思っている節がある。

特にleiftという名義を作ったことで、
僕は自分に感じる思いの丈の全てはleiftに込め出した。

名義を分けたことで、僕はKOTARO SAITOというプロデューサー視点へは、無理に自分を深く掘り下げて音楽を作る必要がないと思えてる。もっと純粋に「踊って暴れてもらう音楽」「チルしてもらう音楽」「泣いてもらう音楽」「映像やショーを高次元で演出する音楽」などなど、他者を思いながら音楽を作ってみたい。あるいは逆に、自分を他者に伝える思考を一切排除して、自分の欲にまっすぐ、誰にも理解される必要がない音楽をやりたい。


・・・話がプロデューサー視点に行きすぎたので、leiftの話に戻る。


「修行」が辛いのは仕方がない

僕はleiftとして活動しながら、「この苦痛に耐えながら前に進んでいく感覚、なんか記憶にある」なと思っていた。僕の社会人としてのファーストキャリア、博報堂の営業時代の頃とそっくりの心情だ。

社会と自分をつなぐもの

僕は今、歌のことをそんなふうに思っている。自分に社会性がない(と、少なくとも僕自身は思ってる)から、自分が好きなように生きて、その結果ありのままで社会と繋がっていられるよう、自らの声をハブにする。

社会性がないという課題を、声と言葉で「補う」(と言うとかなりマイナス→ゼロみたいに聞こえるけど)ことが、僕が僕の歌に期待すること。少なくともleiftのファーストアルバム『Beige』を作り終えた時、僕はそれがしたかったんだと気がついた。

博報堂の営業として働いていた頃に戻りたいとは全く思わない(勿論感謝はしている前提。)けど、あのキャリアが僕に「言語化能力」「ルールを意識する」ことをくれた。僕は営業として自分が得るべきものを得て、会社員を辞めて今に至れていると誇りに思う。

僕の未来にとって、「歌う行為」がどういう位置づけになるのかは今の僕にはわからない。けど1つ確かなのは、挑戦して本当に良かったし、言葉を力に社会と対峙していくのは、辛くもあり生きがいがあるということ。

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『Beige』は、苦しみの要素半分と、苦しみの中から抜けて希望を見出した要素が半分のアルバムだと思う。作っている当時は「これこそが、これからの自分にとっての希望だ」と信じていたけれど、リリース直前の今聴き返すと「あー、苦しんでるな自分」って思う節も多々。

でも、仮にリスナーの皆さんに僕の印象通りに伝わったとしても、僕は『Beige』というアルバムに、leiftという活動を始めたことに、一切の後悔はない。暗い数年を過ごしているのは、とうの昔に受け入れたから。


避けずに逃げなかったこと

僕にとって『Beige』は、制作当時の最上を詰め込んだ作品だ。

技術的な部分は言うまでもなく、何より精神の緊張感や胆力の部分において、おそらくもう今後このような作品が産めないと僕は思う。

これまで音楽家として、自分は何度も「自分の限界を突破する音楽」を作るべく向き合い続けてきた。それら全てを以てしても、leiftという名義で歌を始めたことは、他のどの活動も比にならないほど辛い。

でも、僕はやり切った。
一旦、やり切れた。
これって凄く尊いことだと思ってる。

昨日ちょうど、知人と食事しながら話していたのだけど、その人は「誰かの心を救いたい」としきりに話していた。僕はこの「救いたい」という人のほとんどは、過去の自分も含めて信用してない。「人を救うなんて、どんだけ偉大なんだ」と思ってしまう。

でも、その人に対しては全くそう思わなかった。
理由はとってもシンプル。その人が、
作品という形で僕が見て「救いだ」と解るよう作っている人だから。


作品として形に残すこと

作品は、嘘がつけない。その人が何を感じて作ったのかが、受け手の数多の解釈を許容しながら伝播していく。とても不思議だけど、形に残し続けることで、表現をしようとしていない「素」の自分が地に足をつける。

だから僕は今、自分の作品をフラットに聴くことができる。悩み迷い、足をつける地にさえ迷っていた頃の自分がモロに出たアルバムを、客観的に、少しだけ優しい目線で聴くことができる。

アルバムが完成した時点で

作り手としては、自分で自分を褒めていい。

僕はそんなふうに思う。そして誰かの耳に触れて、どういう反応をもらえたとしても、作ってきた自分の価値は自分で認められる。誰かに何かを言われて作品を否定してしまうほど、ヤワな決断で曲を書いてはいないから。

特に、アルバムというまとまった作品になると余計にそう思う。別のnoteでも書いたけど、アルバムは曲を積み上げていく作業ではなく、曲を捨てていく作業の結集だ。ここに至るまで書くのをやめた曲、仕上がっていたけど捨てたトラックと歌のテイク、それらを踏み越えて1つの作品ができている。


絵におけるまで全てが真実

僕は『Beige』という作品を、恥ずかしいことも悔しいことも楽しかったことも、全部正直に吐き出して作った。それは音楽だけでなく、アートワークに至るまで、本当に全て。

leift アルバム『Beige』アートワーク(伊藤裕平 作)

このアートワークの点を形成している画素たちは、
僕が「歌う」と決めてから完成、納品に至るまでに
撮り溜めた日常の写真で構成されている。

デザイン面でこのアートワークを気に入っているけど、むしろ僕は内の想いに100%向き合って生まれた事実が誇らしい。本当に、自分の心一つでぶち当たっていった作品だなと思える。これ以上の本音も、これ以上の事実もない。そんなアルバムが世に送り出せることが、嬉しい。


辛さを肯定するために

僕が最終的に行き着いたのは、
どんなに名義を分けようと、やり方を拡張させようと、
最終的に戻ってくるのは地続きの自分だって認めることだった。

シンガーなのか作曲家なのかという自分内のルールは、僕にとって些細なことでしかなった。自分主語で伝えたいことなのか、伝えようとしなくていいのか、ある意味たったそれだけのこと。僕が苦難だと感じたことは、手法を生み出すための過程で経験したことに過ぎず、全く新しい自分になるわけではなかった。

つまり、全ては自分で初めて辛くなり、自分でカタをつけて解放され始めている。たったそれだけのことなんだ。そう思ったら誰も責める気にはなれないし、そんな権利もない。

だから僕は一貫して、leiftやアルバム『Beige』に向き合う道を、ただひたらすら自分に向き合って作り切ることができたのだろう。


誰もが定番と知ってる

未知が新章を指し示す
葛藤を制し
輝いた 自分だけのBeige
leift『Beige』より

と僕は最中に歌詞を書いたのだけど、今の気持ちとしては、


別にもう、「誰もが定番と知ってる」か否かは、
マジでどーでもいい。


そういう枕詞に、今の自分は心底興味がない。

それこそが、アルバム単位で『Beige』という作品を書き残せた成長なのかなって思う。それもあって、僕は「自分だけのBeige」を示す色は、言葉の意味通りではない、華やいだピンクだなと思えた。


矛盾してるけど

社会性がないという課題を、声と言葉で「補う」

とleiftのあり方、アルバム『Beige』の在り方を前述している一方で、僕は「ベージュって言ってるのにピンクじゃん」みたいな「一般的な解釈と差がある意思決定」に、確信を持っている。

  • エラー

  • 未熟な部分

  • 今後の成長で消えていく課題

そんなものたちが無数に残った今作。それら全ては、音楽に限ったことじゃなく今の自分にも宿ってる。でも、今の気持ちを素直にいうと、

で?だから何?

って感じ。少なくとも今(厳密にいうとごく最近まで)の自分を完全に表現し切って生まれたアルバム(つまり自分)を、僕は直視できるし肯定できる。それくらいのナルシシズムは自分に持てているのだから、僕はこのアルバムは素敵なアルバムなんじゃないかと思えている。


社会性や居心地の悪さに、
leiftはきっと解決の一助をくれる。
僕は今、そう信じるし
そうなるべく届けなくちゃ自分や作品に失礼だと強く思っている。
だからこんなにも感情を吐露して、noteを書いているのだろう。


僕という人間自体は、leiftやKOTARO SAITOという音楽家の母体であり、彼らの魅力を言葉や姿で届ける媒体だ。彼らに対して品行方正に生きたいし、色々な葛藤や失敗を経たけど、今はそれができている自信がある。

アルバム、どうか楽しみにしていてください。
よければPre-add, Pre-saveして、あと数日お待ちください。


--以下、以前の記事より--

僕のアルバムリリース日、4月5日(水)に楽曲がストリームされるよう、以下のリンクから好きな配信サイトに合わせて「先行販売」「Pre-Add」「Pre-Save」ボタンを押して待っていてほしい。

noteやSNSを見てないリスナーの方にまで、「深く聴いてほしい」とは言わない。でも特にこのnoteで僕を知ってくれてフォローしてくれてる方々には、僕はこの2年以上、本当に偽りなく本音を書いてきた。
そんな皆さんには、僕が11曲のそれぞれに込めた想いを、歌詞も聴き込んで聴いてほしい。深く関わってくれた方々への、お礼の気持ちを込めた曲もある。そんな自分の感情を知った上で、このアルバムを聴いてほしい。

勿論、面倒な作業をしてもらうのだから、何のリターンもしないだなんていうつもりはない。今考えられる、僕なりの1番の誠意を送りたい。


楽曲の関係者用リンクと歌詞カードをリリース前に送付

この「Pre-Add, Pre-Save」キャンペーンに参加してくれるみんなは、僕に取っては「駆け出し始めたleiftを応援してくれる"関係者"」だと思ってる。だから、僕が歩いた1年半の軌跡を、一般公開より早く体験してもらいたい。


フロー
①お好きな配信プラットフォームで予約(先行販売、Pre-Add、Pre-Save)
②僕をタグづけ(Twitter or インスタストーリーズ希望)
③予約リンク( https://orcd.co/leift_album_beige )を添付
④投稿

①~④をしてもらえたら、僕がそれをRTやシェアする形で認識して、アルバム音源が聴けるリンクと歌詞カードのPDFが見られるリンクを、直接DMさせていただきます。インスタが一番アクティブなので、Twitterで投稿した場合もインスタのDMに連絡をもらえたら、すぐに確認できます。

もっとわがままを言うと、この企画の目的はleiftのアルバムがいかに「リリース前から期待されているか」を各配信サイトに伝えることであるため、「配信された瞬間」からはそのリンクで聴かず、お使いの配信サイトで聴いてもらえたら嬉しいです。

毎週、情報更新をしていくので、楽しみに追ってもらえたら嬉しいです。ではまた、来週の金曜日に。

しつこいですが、6月21日(水)のワンマンライブ、前売り発売中です。是非、遊びにきてください。毎週ここで、情報をアップデートしていきます。

場所は、表参道のWALL&WALL。

■公演概要
leift 1st. one-man live “Beige”
2023年6月21日(水)表参道WALL&WALL
OPEN 18時30分 / START 19時30分

■出演者:
leift

■サポートミュージシャン
宮内告典(Ds.)
Hajime Uchiyama(Gt.)

【チケット情報】
ADV:¥5000+1D
<販売期間:3月3日(金) 11時 〜 6月20日(火) 23時59分
チケット購入先URL(ZAIKO):
https://mulogica.zaiko.io/item/354841

DOOR:¥5,500+1D
<販売期間:6/21 18:30 〜>

※前売チケットが完売した場合は、当日券の発行はございません。
予めご了承お願いします。

【注意事項】
※予定枚数に到達した場合、当日券の販売は行いません。
※本公演はオールスタンディングの公演となります。
※小学生以上の方はチケットが必要となります。なお16歳未満の方につきましては保護者の同伴が必要となります。
※未就学児のお子様をお連れのお客様は入場時に未就学児であることの各証明書が必要となります。

前売りチケットはこちら


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leift / KOTARO SAITO
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