入籍前日の感情をリアルに書き残してみる。
今日はとても個人的な話を、備忘録がわりに残しておこうと思う。
音楽に興味のある方にとっては、
あまりに僕のプライベートな話すぎるかもしれない。
でも、よかったらこの、二度と来ない日の感情を、
みんなと共有したい。
明日、入籍。僕たちは結婚し、夫婦になる。
先週まで、アルバムの納品作業、明日リリースの新曲の準備、クライアントがいる仕事の楽曲制作などなどでバッタバタだったからか、全く結婚するという実感が湧かないまま当日を迎えるものだと思っていた。
ケジメ
先日、気のおけない互いの友人たちに、我が家に集まってもらった。僕が中途半端にできていなかった、いわゆる「ひざまずいて結婚を請う」プロポーズをみんなの前でやる、という一大イベントだった。
自分の家なのに、いつぶりかの正装。花束と指輪を持って、僕が彼女にプロポーズとして作った曲「Oval (Piano Solo ver.)」を流しながら、ギター伴奏を肇さんにお願いし、彼女を待った。
婚約もしているし、今更ひっくり返ることはないかもしれないけれど、緊張した。手紙を読み上げ、受け入れてもらい、指輪をはめた。彼女からのリクエストで急遽、まゆちゃんにも協力してもらい、「Reason」「Waterfall」を3人で演奏した。何の予定もなく、あんなに難しい歌を歌ってくれたまゆちゃんには感謝しかない。
まゆちゃんだけではない。当日を迎えるにあたって協力してくれた、全ての仲間たちには頭が上がらない。この日改めて、自分の何よりの財産は友人だと思えた。僕らの結婚を祝福してくれる人たちがいる。それは、ありきたりかもしれないけれど、本当に幸せで、かけがえのないことだと知った。
独身でなくなる不安
それ自体を、ずっと少し恐怖というか、寂しいと心のどこかで思っていたような気がする。あらゆる意味で好き放題できなくなるのではないか、全ての決断を自分の意志でできなくなるんじゃないか、夢と家庭を、天秤にかけなくてはいけなくなるんじゃないか、とか。
1月30日に婚約発表をしたから、そこで腹は括ることができた。でも、心の奥底まで、ちゃんと自分は家庭を持つことを自覚し、それに向かう準備ができているのかを問われると、正直不安だったし、1ミリたりとも後悔がないとは言い切れなかったように、今は思う。
でも、最後の日を迎えた今、
はっきりと言える。
僕は独身生活を、完全にやり切ったと。
妥協なき独身生活の、完結
繰り返し書いてしまったが、まるで音楽作品を完成させたかのように、今僕はとても清々しい気持ちでこのnoteに向かっている。
34年と少し、ここまで結婚もせず自分の夢、目標、ある時は強い欲望すらも追い続けてみた。その当時は、この終わらないであろう情熱をたぎらせて、結婚の必要あるの?ってずっと思ってた。
今の気持ちを、可能な限り正確に書く。
情熱や欲求は、決して終わることはない。でも、その当時と今とでは、情熱や欲求を向ける先が、全然違う。散らばっていた興味関心が、ギュギュっと絞り込まれ、研ぎ澄まされた感覚だ。
人は、選択肢を絞り、決断した時、とても強くなる。
昔、誰かにそう言われた。まさに、そんな感覚。
楽曲を作っていてもそう。
幾多のアプローチがある中で、これでいく。と決め込んだ時の感覚。誰に何を言われようと、俺はこれでいく、というあの感覚。
それを感じられる相手に出会えたこと、
本当に幸運に思うし、縁に感謝したい。
「攻めるための」結婚
僕の胸の中でずっと燃えている
・世界中の人たちに、僕の音楽を届けたい。
・癒しや平穏、希望の光を届けていたい。
・そのために、グローバルに音楽活動をする。
・仮に音楽以上の興味が生まれたら、躊躇せずそこに飛び込む。
という感情。アップデートを恐れず、興味と本能にまっすぐ進んでいく。
彼女と過ごす日常は、発見、そして互いにアイデアを出し合い、強く育っていく時間だ。彼女の発信業の客観視を僕がして、僕の言葉を、時に編集者・企業広報・タレントの立場で、より「伝わり、届く表現」に彼女が翻訳してくれる。(実際、昨夜も新曲のニュースリリースを添削してくれた。)
家庭は、守るために存在しているわけではない。
それが、僕たち2人の持論。逆に言えば、「攻撃は、最大の防御」なんだ。
互いの関係性も、世界一落ち着く相手でもあれば、いざ自分たちの仕事のことになれば、今までの誰よりも感情をあらわにして本気でぶつかる相手でもある。(そのせいで、僕たちは家で声を荒げていることが多い 笑)
生み出すことと、拾い集めて伝えること。それぞれ別のフィールドでやり続ける僕ららしい「コラボ」なんじゃないかと思う。
指輪は「年更新」
僕は彼女に結婚を申し込んだ時、彼女に提案した。婚約指輪を1つ渡すのではなく、毎年結婚記念日に、1つ指輪を渡したいと。
ファッション性が高く、日々身に付けてもらえるリングを、毎年渡す。こうすることで、この年はこれを渡したよね、と毎年振り返られる。それに、「婚約指輪がピーク」みたいな結婚生活は嫌だから、互いに攻めの姿勢でい続けられるよう、彼女に輝いていてもらえるよう、こんな課題を自分に課すことにした。毎年渡せばきっと、ジュエリーに対する知見も増えるはず。
ある意味、とても大きな決断である「結婚」に対して、「永遠の輝き」を約束しないような考え方なのかもしれない。僕らは常に、自分たちを磨き上げる。互いにフルスロットルで働き、自分の夢や目標を個別に追い求め、必要があれば協業する。
永遠は、あらかじめ約束するものなんかではなく、
2人で協力して、「永遠にする」もの。
僕はそう思っているし、彼女もきっと同じだろう。
みなさまへ
至らぬ点もあるかもしれませんが、どうか、僕ら夫婦を見守っていてください。この結婚を、僕らは自分たちのエンジンにし、より高みへ、遠くへ、飛び立っていきます。
2021.3.30
齊藤 耕太郎 / KOTARO SAITO