バンドマンが映画BLUE GIANTを観た
※ネタバレあります
結論から言うと、ものすごくよかったし、泣きました。
実は原作の超ファンでして、コミックス全部持っています。音楽マンガなんだけど、スラムダンクにも通じる熱さ、泥臭さ。一聴すると小洒落たジャンル……と捉えられがちなジャズをこうも泥臭く描けるのか!という驚愕。音楽をやる熱さがほとばしっています。アチチ!
世界一のサックスプレイヤーを目指す高校生が、上京してバンドを組んでやがて海外へ…というストーリーです。
漫画の試し読みはこちら
未読の方で、スポコン男子的なノリが好きな人はぜひ手に取ってみてください。音楽漫画の金字塔「BECK」とは一味違った体験ができるはず。
ちなみに作者の石塚真一さんは前作「岳」のときからファンです。浪花節というか、人情噺を描かせたら天下一品ですよね。「岳」を友達で読み回して、実際に穂高岳に登りにいきました。スラムダンク読んでバスケ部入ったし、僕はわりと漫画に影響されがちな人生歩んでますね。いいのかそれで!
ぶっちゃけ映画化されると聞いてそんなに期待はしてなかったんです。音楽マンガはとにかく映像化が難しい。BECKのアニメは…正直イマイチだった…。というのも原作の時点で、読者の頭の中にそれぞれのサウンドが鳴ってしまっているわけで、それを越えるハードルが高いわけです。イメージと違う!みたいなことですね。
しかしこの映画、サウンド面では軽々とハードルを超えてきました。日本が誇るジャズピアニスト上原ひろみさんが指揮をとってる時点で間違いないのですが、他のプレイヤーも相当な手練れです。なによりドラムの石若さん。直接的な面識はないのですが、彼のドラムはやばいよね。最近だと、くるりのサポートやってらっしゃいます。
特にすげえ!って思ったのが、初心者の玉田のドラムが上手くなっていく過程。ちゃんと初心者の鳴らし方が再現できている!始めたばっかのドラムの音がする。率直にへたくそ!この説得力があるから、彼が成長する過程に素直に感動しました。上手くなり過ぎないところもリアルでいい。
あとシンプルに劇中の曲がいいです。原作を読む限りだともう少しコンテンポラリーで難解なジャズなのかな……?と思っていましたが、いい意味で分かりやすい曲で驚きました。たぶんtoconomaとかjizueを聴ける耳をお持ちの方なら普通に楽しめると思います。ぜひ映画館の大音響で聴くのがよいかと思います。劇中でピアニストの雪祈が「ソロの壁」を越えるところは鳥肌が立ちました。超絶すぎて圧倒されます。ジャズって激しいんだぜ!
そういえばtoconomaもジャンル的にはジャズに分類されてるのですが、僕らはジャズをやってるつもりはございません!そのへん紐解いたnoteはこちらです。
というわけで、素直におすすめできますし、音楽が好きならば観て損はないかと思います。いや〜BLUE GIANT良い映画や!
……と、ここで締めてもいいのですが、バンドマン&アートディレクター視点で
ちょっと微妙な部分があったのも事実。別に批評家を気取るつもりはないのですが、野暮だな〜とご理解いただいた上で紐解いてみたいと思います。ネタバレを含むので、映画を未見の方はご遠慮ください。
まず観た人が100人いたら100人思うであろう…
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