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紳士淑女(社会性)からパンク(異質性)が生まれる〜紳士淑女とパンクの狭間にいたい〜

イギリス・ロンドン。
学生時代にビッグベンやタワーブリッジ、バッキンガム宮殿などの有名どころを巡るだけで特段の印象を持ち合わせていなかったのですが、今回訪問してみて、時間を経て観点が変化すると結構面白いなと感じました。
ここでは、この国で生まれた1つのクラフトビールブルワリーの精神にフォーカスします。

BREWDOGというスコットランド発のブルワリーを知っていますか?目立つブルーで装飾されたPUNK IPAを始め、HAZY JANE・ELVIS JUICEで有名なあのブルワリーです。

ブリュードッグはPUNKの精神を基礎に成り立っている

我々の使命は、古臭い風習や固定概念を打破し、自分たちの意志で新しいビール文化を創ることだ。

ブリュードッグは、“PUNK(常識に逆らう)”をキーワードに、 “大量に工場生産されたラガー”か“古臭くて根本的に面白みのないエール” しかない当時のUK市場に“クラフトビール”カテゴリーを作ることを目指して2007年創業。ガレージで少量醸造し、手詰めしたクラフトビールを地域に販売するところから始まり、欧州各国をはじめ、米国、アジア、グローバルに事業展開を拡大。UKNo.1クラフトビールメーカーとしての確固たる地位を築くだけでなく、グローバルNo.1クラフトビアバーチェーン(全世界100軒以上)のオーナーでもある。

https://www.brewdog.jp/story/

ということで、今回はBREWDOGの精神である”PUNK(常識に逆らう)”というワードについて深掘りしてみたいと思います。



日本と似ている?


イギリスは、島国であり、正式名称はグレートブリテン及び北アイルランド連立王国で、スコットランド・アイルランド・ウェールズ・イングランドから成る連立王国(United Kingdomと言われる所以)です(日本ではポルトガル語のイギリスとなっています)。

王国なのでロイヤルファミリーがおり、かつ首都であるロンドンは世界有数の金融街で今でも世界の中心の一角を成しています。ロンドンを始めイギリスの国自体が様々な映画や有名な小説で取り上げられ、観光資源の豊富さは目を見張るものがあります。

一方、日本も同じ島国、そして、国の象徴である皇族がいます。金融でも東京証券取引所は世界有数の規模、また、Tokyoは存在感があり、映画の舞台になっているシーンも多いのも似ている点です。


多様性の街、ロンドン


日本ではアメリカが多様性の国としてよく取り上げられるため、ことロンドンに関してはあまり知られていないかもしれません。

ロンドンでは多様な民族が共生しており、街に行けば、インドを含むアジアおよび中東、アフリカ系の方々は至るところで見かけます。移民は約37%と言われており、どれだけ多いのか容易に想像がつくはずです。実際、日本の首都東京と比較するとはるかに移民が多いように感じます。

そのような実態から、社会的に多様性が受け入れられ(あるいは認めざる得ない状況で)、民族が共存しています。
これらの根底にあるのは、社会的および歴史的背景による価値観の共生に依るところが大きい。

もともと違う国同士が連立したのに加え、中世の植民地政策や産業革命以降の労働力確保、そして、特に顕著なのは第二次世界大戦後の移民政策により、多くが流入したからです。このように紆余曲折あり、多様な文化を包含する現在に成ったと考えられています。

圧倒的に〇〇が高い


イギリス、もとよりロンドンはもともと貴族社会に存在した社交場文化が根付いていることに加え、街中の至るところにオープンスペースのバー(パブ)や、ヨーロッパで最初にコーヒー文化が花開いた、カフェが多いことから、もともと分け隔てなく議論できる環境が整い、加えて前述の多様性も踏まえると、社会性の高さは想像に難くありません。

実際、極めて女性、子連れに優しく、笑顔が素敵で、ウィットに富んでおり(いわゆるイギリスのブラックジョーク)、紳士淑女の街です。※主観あり

PUNKがイギリスで受け入れられるわけ

では、なぜPUNKが生まれ受け入れられているのか?
社会性ゆえの反骨精神と、多様性ゆえの寛容さが背景に写し出されます。

PUNKは「常識に逆らう、打ち破る」てすが、そもそも社会に根付いている常識や伝統を守る文化、マナーを大切にする広範にわたる精神などの社会性が成熟していないと成り立ちません。その盤石な土台に成り立つPUNKだからこそ、より強いメッセージを発信できるはずです。

加えて、多様な文化を柔軟に受け入れてきた歴史的背景から、異質性のあるPUNKは、これまでの人たちからしたら眉唾ものであっても、彼らは安心して自由に発信でき、ムーブメントを形成し、いずれは共感力が高くなるのも頷けます。


PUNKを突き詰めるとイノベーション

BREWDOGでは、PUNK=常識に逆らう、と定義されてますが、自己解釈としてはパンクは「強いメッセージ性のある異質性」です。

「強いメッセージ性」は、納得感のある、周りの人を惹きつけるような主張で、一方であくまで具体的でなくても良いと思ってます。「何かおかしいよね」とか「何か違う」という小さな違和感から始まり、ウェーブしながら、大きくなるイメージです。なので、1人1人のこの小さな違和感は大切にするべきと考えます。

そして、そこから最終的にイノベーティブなクリエイティビティに帰結するものと解釈してます。


バランス感覚を大切に

とは言いつつも、社会性とパンクのバランスは大事だと感じています。常識を形作る社会的な土台や画一的なルールはパンクを生み出す上でも必要だからです。そこを行ったり来たりしながら、螺旋状に成長していくことが、社会にも個人にも良い影響を与え得ると信じています。

一方で、日本においてパンクを包含できる寛容さが備わっているかは甚だ疑問ですが、そのように移りつつあることを願うばかりです。


ということで、お付き合い有難うございました。

BREWDOGもビール大国のドイツでも存在感を発揮しています。ここまでグローバルに展開されていても、今後もPUNKを体現するカンパニーであってほしいものです。個人的にはHOP FICTION、MALT FICTIONが好きです。

PUNK(パンク)も個人的に目指す自由を象徴する1つだと、noteを執筆しながら、ふと思いつつ、筆を置きます。


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