ヒマラヤを歩いた16日間の記録
2019年10月から11月にかけてネパールを旅した。16日間かけてヒマラヤを歩き、体調を崩しながらも街を彷徨いながら写真を撮っていた。
出発の朝は寒かった。泊っていたゲストハウスの屋上にて。
カトマンズからローカルバスで10時間かけてシバラヤという村へ。ここからエベレスト目掛けて歩き始めた
10月のヒマラヤには桜が咲いている。
エベレストトレッキングはルクラという空港がある街から歩き始めるのが一般的だが、僕はクラシックルートであるこの道を歩いた。空港が無かった時代に登山隊が歩いていた道らしい。住民たちにとっては生活の道である。
道案内をしてくれた少年
目的地が見えてくる。が、見えてからが長い。
宿は思ったよりもある。夕飯を食べていると猫が膝に乗ってきた。宿のオヤジは宿泊客を待っているがなかなか来ないと言っていた。確かに、序盤はトレッカーとほとんど会わない。
村から村へ渡り歩きながらロードオブザリングという映画を思い出した。9人の旅の仲間は指輪を葬る為に滅びの山を目指すのだけど、僕は一人でエベレスト近くの『カラパタール』という場所を目指した。
この写真を撮った時はとても疲れていた。この集落で宿泊しようとも考えたが先へ進む事にした。とても寂しく、人の気配があまりしなかった。
相変わらずあまり人に遭遇しない。それは良い場合もあるが不安になってくる場合もある。
鬱蒼とした森を誰にも会わずに2時間歩いた。道中は標識など一切無く、道が合っているかわからなかった。そしてこの景色に辿り着いた。『道なんか合ってなくてもいいか』、と思えた。動物の鳴き声でさえ聞くと安心できる
『ナムチェバザール』という大きな街に到着した。こんな山奥によくこんなデカい街を作ったなと感心してしまう。
久々にインスタント以外のコーヒーを飲むことができた。夜になるとダンスミュージックが街に溢れて騒がしい。
街はすり鉢状になっており、背後にはコンデリという巨大な壁のような山がそびえている
高度順応の為にナムチェバザールに2泊した。
標高3800mを越えてテンボチェという村に到着。牧歌的な広場のような村。
ホテルの背後にはタムセルクが聳える。
トレッカー達の午後。ゆっくりと時間が流れる
標高は上がったのに暖かい午後
エベレストやローツェをのんびりと眺めるテンボチェ村の僧侶たち。これが日課なのだろうか
標高4410mにもカフェがある。その名も『CAFE 4410』。
元気が良くて散歩した午後
歩いて来た方を振り返った。『よくここまで来たなあ』と思った。
宿に到着後、更に丘を登って写真を撮った
トレイル終着のロッジ街『ゴラクシェップ』にてフィルムの最後の1枚に撮影した写真。15時くらいだったと思う。山の影が伸び、寂しい静けさに包まれた5160mの村はまるで宇宙のようだった。
もう標高の高い場所には行きたくないと思いながら下っていく。少し下っただけで天国のように感じた。しかし今はもう一度歩きたいと思っている。
ポルチェという村の少年
出発した村を振り返った。この村で泊った『ポルチェゲストハウス』のダルバートが本当に美味しかった。ヒマラヤを歩きながらならなんでも旨いが、一番美味しかったのは5000mから標高を下げた直後に食べたチーズピザだ。しょっぱさが身体に染みた。
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