怪奇談話第四話【給食の時間】

給食の時間

昭和
まだ学校では教師の体罰が当たり前だった時代。
私は小学生だった。
私は出来が良くなったので、毎日先生に怒られるのが怖いのを我慢しながら登校していた。
ある時、給食の時間に生徒の一人が髪の毛が入っていたと先生に報告し
給食の時間にそっちのけで
説教と犯人探しが始まった。
「黙っているなら、全員放課後居残りだ!!」担任は脅し文句を吐きますがみんな沈黙。
結局全員放課後に正座で2時間以上説教を食らった。
それから月に一回程似たような騒ぎがあり、その都度担任の雷が落ちた。
生徒の中には「やったやつ誰だよ…」と怒鳴り散らす者もいてクラスの雰囲気は最悪だった。
補助の教員も来て給食の時間、特に配膳の時間に教室の四隅から厳重に監視されたが、いくら厳重に見ていても知らない間に髪の毛が入るのだ。

そんな事がしばらく続きある日髪の毛事件が起きた日に私は見てしまった。
給食が始まる時間に教室の天井から長い髪の女性が白目をむきながら、上半身を伸ばし生徒の間を移動しているのだ…
そして、ある一人の生徒の頭上から指でつまんだ髪の毛をそっと給食のおかずの上に落とし消えていった。

私は恐ろしく、また驚愕し目を疑った。
教師に放課後このことを話したが、「嘘を言うな!さてはお前がやったんだな」と平手打ちを食らった。

結局犯人は私だと決めつけられてしまった。
担任も名前こそ出さなかったが、こういう悪戯をしないようにと注意をした。

しかし、その後も女は出現し続け髪の毛が入ることが頻発した。
私は再び放課後、教室に残された。
文言は同じ。「お前がやったんだな。食べ物を粗末にするとは何事だ!」

私は担任に女の事を説明したが信じてもらえず、再び平手をされそうになったその時…突如担任が置いていた灰皿ががちゃんと音を立てて床に落ちた。
辺りには吸い殻が散っている。
「誰だ!!」うろたえる担任の背後にはあの女が天井から釣り下がっていた。
結局臨時の保護者会が開かれるまでになったが、学年が変わるまでこの現象がおさまることはなかった…。

それから時は経ち、進級した頃その担任が宿直室にて首をつって死んでしまった。

彼が死んだのは女のせいかはわからない。
そして、女が何故給食に髪の毛を入れていたのかもわからない。

みなさんも学校で不思議な体験はないだろうか?

私はこれが唯一の心霊体験です。

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