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共感する時代から次はどこへ

 執筆している今は2024年の4月だ。現代は、どういう時代といえるだろう。少なくとも日本を見ていると、現代の人々はこれまでにないほどに「共感」を求めている。50年後の歴史の教科書には、22世紀前半はパソコン機器の発達とともに、皆がモバイル端末を持つようになり、SNSというインターネット上のコミュニティサイトを通じて共感し合う時代であった、と記載されるかもしれない。

 そもそも共感とはなんだろうか。漢字から推測するに、相手の主張や意見に対して、自分も「共に感じる」、「同じように感じる」ことを指す。日常会話でいえば、「私も思った」「そのとおり」や相槌の「そうそう」が共感を表す言葉で、共感は安心感や幸福感を与える。
 共感の特徴として、相手が自分と似ていればいるほど、納得や安心が大きくなる。ある事柄について自分と同じ意見を相手が持っているとわかったり、同じ食べ物が好きだったり、出身地や年齢が同じであったりするとそれだけで嬉しくなる。
 共感する相手は、人間だけとは限らない。たとえば、猫や犬の動物の動画で、まるで人間のように困った姿や頑張る懸命な姿を見ると、なんだか嬉しくなる。動物は人間のように嘘をついたり芝居をしないので、人間の言葉や振る舞いよりも共感を抱きやすいともいえる。

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当たり前だと思っていたことを疑うと、新しい発見があるかもしれない。繰り返しの毎日にスパイスを与えるエッセイ集

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