広告化するコンテンツ

　僕は、テレビで流れるコマーシャルメッセージ（CM）が苦手だ。番組を見る集中力が奪われるだけでなく、時間も奪われる。製作陣も視聴率を落とさないように、CMを利用して結末やオチをすぐに言わずに、後半へと引き伸ばそうとする。
　多くの人にとってCMは不要なものだ。かつてテレビ番組をカセットやDVDで録画していたとき、CMの内容までチェックしていたひとはほとんどいないだろう。たいていの人は、CMを早送りでスキップしていたはずだ。

　ある広告会社の会社案内を読んだことがある。そのパンフレットには「広告会社の仕事は、情報を必要としている人に、必要な情報を提供するサービスだ」と書かれていた。僕は、情報が必要がないのでCMはストップしてほしいと思ったが、広告会社としては必要な情報を届けているつもりらしい。
　そういえば、ある会社がCMをスキップできるレコーダーを発売するという話があったが、結局発売は中止になった。広告業界の方から反対を受けたのだろう。テレビやラジオのように無料であるメディアは、無料であるかぎり宣伝やCMを避けられない。