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20年前のネット世界と現在

 僕が一番携帯を使ってインターネットで遊んでいたのが20年前あたりだ。まだガラケーが主流で、スマートフォンを持っている人はほとんどいなかった。インターネットといっても、ガラケーで接続できる範囲には限界があった。そのため、日本から世界へ飛び出しているような印象はなかった。掲示板やホームページをつくったり、他人がつくったサイトを閲覧するだけで楽しかった。

 SNSにもずいぶんハマった。起きている間は、ほとんど一日中SNSに接続していた。現在のような処理速度も保存容量もSNSサイト側にはなく、情報も一箇所に集約されているわけでもなかったので、SNS上で何が流行っているのかは明らかではなかった。そのため、SNS上の流行が、現実世界でも流行することは少なかった。
 当時のSNSでは、電話番号やメールアドレスの個人情報を他の人に教えることは禁止されていた。サイト内のメールを使って、私的なメールアドレスを交換することはルール違反で、アカウント停止の該当する行為だった。リアルの顔写真を掲載するのはもってのほかで、プロフィールに個人の情報を載せることは憚られた。友達との思い出や旅行先の様子をリアルタイムで発信する現代の人からすれば、驚くかもしれない。昔の方が、個人情報の取り扱いには厳しかったというのが、僕の印象だ。

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当たり前だと思っていたことを疑うと、新しい発見があるかもしれない。繰り返しの毎日にスパイスを与えるエッセイ集

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