会社を辞めるということ
ちょうど13年前、13年間勤めたトヨタ自動車を退職しました。理由はシンプルで、独立するほうが世の中へのアウトプットが増えるのではないか?と思ったからです。家族からの反対がまったくなかったこと、直属の上司であった奥平総一郎さん(現ダイハツ工業社長)を例外として、トヨタのみなさんも誰も引き止めてくれなかったこと(笑)なども背中を押してくれました。
トヨタ時代の写真。手がけたプロダクトとともに。
トヨタを辞めたその日に撮影した写真。
思ったとおりになっているかどうかの判断はみなさんにおまかせしたいと思いますが、私自信は、日々たくさんの仲間に助けられながら、充実した毎日をすごしていることに感謝をしています。
辞めてから気がついたことが2つありました。ひとつは、会社を実際に辞めるかどうかよりも、辞める覚悟を持っているかどうかのほうが大切だということ。生涯ひとつの会社で勤め上げるのはすばらしいことですが、ともすると「会社=社会」というような感覚になってしまうこともあるかもしれません。辞める覚悟を持つということは、常に自分と社会を対峙させて考える習慣をつけるということ、自分が社会に何を生み出して、その結果どのような対価を得ているかということに意識的になることだと思うのです。
独立したあとの事務所。
もうひとつは、やや個人的な話になりますが、辞めたあとのほうが、トヨタの中のステキな人たちと自由につながれるようになったということ。お互いが同じ会社にいるときは、「あの人と仕事がしたい」というのはただのワガママですが、どちらかが辞めれば仕事を発注してもらえばよいわけです。辞めた人間に仕事を出してくれるなんて、とてもありがたい話だと感謝していますが、このような関係性は日本でもどんどん一般的になっていくのではないかとも思っています。
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