ネタバレ考察『Cloud クラウド』ラスト結末,佐野が助けた理由,感想:雲のように抽象的
ネタバレ感想
実体のないネット上のサービスを冠した『Cloud クラウド』。実体がないという部分が商品を転がして利益を得るだけの転売屋とリンクしているのが興味深い。
現実の工場
現実とネット両方をまたぐ転売屋
ネットの不毛な論争のような最後の銃撃戦
上記のように、主人公・吉井(菅田将暉)がいるフェーズがどんどん抽象的になり、最後は雲の中に消えていくようだった。フェーズが上昇して雲になる。クラウドだけに雲を掴むような不思議なお話。
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考察:ラスト結末の意図
本作には多様な切り口があるだろうけど、だれしもが転売屋・吉井に自分の存在を当てはめられる作品だと感じた。吉井がやった罪の1つが人の善意の軽視だ。善意の軽視の経験はだれしもが持つだろう。吉井の場合、工場の上司・滝本の期待を裏切り、転売屋の先輩・村岡を裏で嘲笑っていた吉井。それが自分に跳ね返って来ることになった。善意の軽視が殺意に転換されたのだ。ネット上にハードもソフトも揃いユーザーが好き勝手使えるCloudクラウドシステム。Cloudは無料かも知れないが、実在の人間の善意はタダではない。それを思い知らされるような映画だった。
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