成功を導くアイデアの6原則「SUCCESs」
唐突ですが、2次方程式の解の公式って覚えていますか?
中学3年生のときか、高校1年生で習うあれですが、ほとんどの人が忘れているかと思います。
それでは、三平方の定理って覚えていますか?
これも同じく中学3年生のときに習うやつで、直角三角形の斜辺を求める、あれですね。ピタゴラスの定理ともいわれます。
この2つ、同じ時期に習うにもかかわらず、覚えやすさは全然違います。
その理由は、どっちの公式が単純か……ということですが、「単純な方が覚えやすい」ということは何も公式に限ったことではありません。
例えば、「Apple」や「Amazon」という会社名は、シンプルな名前でなかったらここまで大きな会社にはならなかったかもしれません。
世にある有名なキャッチコピーも、その多くはシンプルです。
また、経営方針や、浸透しているルールもシンプルなことが多いです。ルールを忘れてしまったらルールを守ることなんてできませんからね。
ということで、今回は以上の「シンプルさ」のように、記憶に焼き付くようなアイデアの作り方を以下の書籍を参考にご紹介したいと思います。
SUCCESs――成功への6原則
先ほどの「シンプルさ」のように、記憶に残るアイデアにもシンプルなルールがあります。
それは以下の6つのルールです。
・Simple――単純明快
・Unexpected――意外性
・Concrete――具体的
・Credentialed――信頼性
・Emotional――感情に訴える
・Story――物語性
これらの頭文字をとって、アイデアの6原則「SUCCESs」で覚えましょう。
「SUCCESs」は文字通り、成功を導く6原則でもあります。
何故なら、成功にはアイデアが不可欠であり、成功するようなアイデアは記憶に残りやすいようなものだからです。
ということでこの6つについてもう少し詳しく見ていきましょう。
Simple――シンプルルールは世界を変える
シンプルさが大事であることは先ほども述べましたが、私の中の去年のビジネス書5選の中の1冊に「シンプルルール」の本を載せるくらいに、本当に大事な考え方です。
詳しくは以下から見てみてください。
もちろん、すべでがシンプルである必要はありません。
決まりきったことのマニュアルや手順書はより詳しく、無駄なくダブりなく書かれていた方が効率的であることが知られています。
ですが、その核となる部分はやはりシンプルなのです。
Unexpected――驚きは関心をつかむ
「本を読むことは大事です」と言われたって、そんなの知っているよ、という話です。
驚きもなければ新しみもなく、この言葉一つで読書をするようになったら、むしろ今まで何故読まなかったのか、というほどです。
ということで、驚きや意外性は関心をもってもらうために重要な要素なのです。
関心を持たれなければ、覚えようとさえされませんからね。
ちなみに参考にした書籍にはこのように書いてありました。
驚きは関心をつかむ
興味は関心をつなぎとめる
非常にシンプルでキャッチ―で覚えやすいです。
この言葉の通り、驚きでまず関心を得たとしても、興味が続かなければすぐに離れてしまいます。
物語に「伏線」が大事なのも、興味を持続させるためであり、有名な作品ほどこの「驚き」と「興味」をうまくつかっているので、一度これらに注目して見てみるのも面白いかもしれません。
Concrete――具体性は想像性
ソフトクリームって想像できますか?
あの白くてつめたくて甘くておいしいソフトクリームです。
きっとほとんどの人が想像できると思います。決して馬鹿にしているわけではないので、読むのをやめないでください。
しかし、もしソフトクリームを知らない人がいたら……上の一文だけで想像できると思いますか?
きっと、まさかあんな形状であるとは思いもよらないでしょうし、「まぁ甘いお菓子なんだろな」程度な感じでしょう。
もちろん、そんな曖昧な状態では記憶にも残りづらいわけで……つまり具体性はとても大事なわけです。
例えば、冷たくて、甘くて、白くて、今にもとろけそうな、そして舌にのった瞬間自分もとろけそうになってしまうあのソフトクリーム、といったらもう少し印象はかわるかもしれませんが。
ちなみに、この話をしてもぴんとこない人も多いかと思います。
それは何故なら「ソフトクリームを知らない自分を具体的に想像できないから」です。
Credentialed――信頼は価値
例えば、かの有名な堀江貴文さんが出している本でも使われていますが、「信用」は大きな価値になります。
ちなみにこの本を参考に書いた投稿はこちら↓
というように、「権威性」も一つの信用です。
堀江さんが言ったなら……と考える人も少なくはないでしょうからね。
もちろん、信用が価値になることは本当です。
例えば「宗教」や「お金」も信頼があったからこそ成り立つものであり、そしてその力のすごさも周知の事実です。
Emotional――感動で人は動く
募金をしてもらうなら
1.6歳で一日10時間も働く貧しい女の子の話
2.世界には〇人の人が飢えで苦しみ、1日に〇人が餓死していますというい話
どちらの方が良いと思いますか?
実は、前者の女の子のストーリーが勝つことが知られています。
後者の方は、抽象的で想像しづらく、ゆえに「心が動かない」のです。
逆に、女の子のストーリーは、とても具体的ですし、悲しいです。写真なんかあったらなおのこと心が動きます。
このように、人は統計的なデータよりも、たった一人の悲しい物語の方が心動かされます。
世界を救う系の物語で、世界より仲間を優先してしまうのは、ある意味人間の特性なわけです。
Story――すべてが詰まったストーリー
ということで、以上の5つをいかに一つのストーリーにのっけるか……それが良いアイデアの原則になります。
例えば先ほどの「貧しい女の子」の話はSUCCESsすべてが詰まっています。
まだ幼いのに貧しいがゆえに働いている、というシンプルな構造とその事実に対する驚き。
数字なども具体的で想像ができ、写真などがあればより信頼性が増します。
そして、そんな悲しい状況の子供がいるなんて……と感動した人々は、統計データを引っ張ってきただけの無味乾燥な事実よりも、多額の寄付をするわけです。
他にも、例えば聖書も物語ですし、子供をしつけるための物語も多くあります。伝承も多くは物語です。
そういった昔から語り継がれたものの多くが物語であることは、いかに物語が記憶に焼き付けるうえで重要かを示しています。
これを読んだあなたも、何かのアイデアを考えるときには、上記5つを1つのストーリーにのせることを心がけ、そしてSUCCESsをつかみ取ってください。
また、アイデアの生み出し方については他にも投稿しているので、ご興味あればこちらもご覧ください。
参考文献
ps
良いアイデアを生み出すには、試行回数も大事です。
たった一回で成功できる人は、めったにいません。
あっ、あと二次方程式の解の公式は、ほとんどこれらにあてはまっていません。全く単純じゃないし、一般の人には驚きもないし、具体的じゃないし、信頼性はあるかもしれないけど、相当な変態でなければ感動もしないし、ストーリーも教科書には載っていません。
忘れて当然なわけですね。