人は無能になるまで出世する「ピーターの法則」
会社に所属しているなら一度は感じたことがあるでしょう。
「何故こんな人が出世できたんだ?」
そう感じるのはもしかしたら「ピーターの法則」のせいかもしれません。
ピーターの法則とは、「人は無能になるまで出世する」というものです。
例えば、出世する時というのは、その位置で優秀な成績を収めた時ですよね。
逆に出世できない時とは、優秀な成績を収められないときです。
つまり、優秀な成績を収め続ける限りはどんどん出世していき、最終的に成果をあげられなくなったポストで落ち着くというわけです。
上下でなく役割
以上のように「ピーターの法則」があるので、昇進システムには大きな問題があります。
そもそも「昇り進む」という感覚が少し違う気がします。
チームをまとめるのが得意な人、こつこつと事務をこなすのが得意な人、営業が得意な人、それぞれに得意不得意があり、一人の人間を最大限活かすことができるのは、得意な仕事においてです。
ですので、本来だったらチームをまとめる部長や課長、社長が偉いというわけではないと思うのですが……
数が相対的に少なく、責任も伴うリーダーはそれ相応の対価をもらわなければ、という論理は通りますからね。その結果として貧富の差が生まれ、そして上下関係を生んでいるのでしょう。
また、公平に昇進できる可能性があるというのは、大きな会社では特にモチベーションにつながるでしょう。
まぁそのモチベーションも「お金のため」とか「地位のため」というのがほとんどでしょうからね。それは「幸福」にはあまり繋がらない要素ですので、個人としてもあまりメリットがないように思えます。
時代が変わり、同じ職業にずっとつけるわけでもなく、小さなチームでも大きな会社に勝つことができるようになった今では、昇進システムのメリットはかなり薄くなっているのではないかと思います。
小さなチーム
先ほど少し述べたように、現在では小さなチームでも十分に大きな成果をあげられる時代になっています。
それはインターネットやAIのおかげでしょう。
誰でも大勢に対して簡単に情報を発信できるようになったので、今まで人手がなければできなかったことも、少人数でできるようになりました。
また、人件費というのはかなり大きなコストになりますからね。経費を減らして小さな利益で儲けるには、やはり少人数でやるのがいいのです。
そのためにチームリーダーが忘れてはならないことがあります。
それは「喜びを得るために雇うのではなく、苦しみを消すために雇う」という考え方です。
うまくいっていたり、お金に余裕が出来たら、とりあえず人増やして新しいことやるかみたいな思考に陥りがちです。
しかし、今や大きな会社にはメリットがありません。
管理できないほど大きくなれば、公平性のある昇進システムなどを導入しなければいけなくなり、ピーターの法則に陥ります。
また、大きくなるとどうしても保守的になり、変化が目まぐるしい現代では置いてかれてしまいます。
ですので、チームを大きくするときには慎重にならなければいけないのです。
また、ビジネスとしてうまくいかなくなりそうだったらいつでも関係を切れるような、そういう対等なパートナーがチームの構成員としてはベストです。依存関係は事業が失敗したときに重荷になります。
そういう意味でも、「まぁいなくても大変になるだけだからな」くらいな、苦しみを消しあうことができるくらいな関係がいいわけです。
参考文献:マネジャーの最も大切な仕事――95%の人が見過ごす「小さな進捗」の力
フィードバック入門 耳の痛いことを伝えて部下と職場を立て直す技術
ps
とりあえず「個」としての力があればいいというわけですね