「3割と3%を意識する」生産性を上げる目標づくり
前回生産性について考えることが大事という話をしましたが、今回はその生産性を上げるための目標づくりについて話していきたいと思います。
今回も、前回同様こちらの本を参考にしました。
生産性―マッキンゼーが組織と人材に求め続けるもの
成果を大きくor資源を小さく
生産性の向上には2つの軸が考えられます。その一つが、前回お話した
成果を大きくor資源を小さく
です。
生産性というとコスト削減というイメージがつきやすいですが、質をあげる「成果を大きく」にも着目していかなければいずれ限界がきてしまいます。
改善と革新
2つ目の軸は
改善と革新
です。
「改善」は例えば今ある手法を少し工夫したりすることで、小さく素早く生産性を上げることができます。
一方「革新」は新しい商品を開発するなど、今までを活かしつつ全く新しいものにチャレンジすることで、それゆえに時間はかかるものの生産性の向上は大きく期待できます。
2つの軸
「成果を大きくor資源を小さく」と「改善と革新」。この2つの軸を意識して、偏らずに対策していくことが重要です。例えば
・成果を大きく×改善→販売手法の工夫、作業手順の変更
・成果を大きく×革新→新しいビジネスモデルや商品
・資源を小さく×改善→コスト削減
・資源を小さく×革新→ビジネスプロセスの再構築、国際分業
などが考えられます。
3割と3%
この2つの軸をどうやって進めていけばいいのか……その目標設定の手法が「3割と3%を意識すること」です。
生産性3割の向上=革新
生産性3%の向上=改善
生産性を考えるうえで、効果を早くだしたいからと改善ばかりするケースがありますが、それではいつか限界がきてしまいます。
目先の3%の改善を行いながら、時間をかけて3割の革新を行っていくのが大事なのです。
特に、先ほどあげた2つの軸の組み合わせの中で、まだ手を付けていない部分は、大きな向上が期待できます。
だからといって偏った対策をうつと、やはり限界がきたときに手札がなくなってしまうので、その点には注意しなければなりません。
組織と個人
次に組織と個人での目標の違いです。
もし大きな組織に所属しているのなら、その中の個人が大きな革新を行うことは難しいでしょう。
多くの人に影響がでますし、組織が大きくなると保守的になってしまうので、組織全体で革新に取り組んでいかなければなりません。
ですので、組織全体を動かすような管理職の人は、基本的に革新について考え、それを目標にして組織を動かしていく必要があります。
逆にいうと、管理職の人がそういった意識を持たなければ、いつか生産性の向上がストップし、衰退していってしまうでしょう。
それでは、組織の中の管理職ではない人は何をすればいいかというと、その革新の手伝いと、小さな改善です。つまり
管理職→生産性3割向上の革新
その他→生産性3%向上の改善
こういった役割分担で、目標を考えていくことが大事です。もちろん、実行するのは管理職の者だけではありませんし、全員で革新を目指していくことが大事ですが、その環境や雰囲気を作る管理職の意識が何より大事なわけです。
個人
それではもし今所属している場所の管理職の人が革新を目指さず、また職場の雰囲気もそういった感じでない場合どうすればいいでしょうか。
方法は2つ。
・環境を自分の思うように変える
・新しい環境に移る
ですのでもし環境を変えることができないのであれば、移るしか方法はありません。
人は環境によって大きな影響を受けます。周りの人間の感情やパフォーマンスは伝染するので、もし今満足していなくとも、いずれその環境に適応してしまう日がきてしまうかもしれません。
それでもいいのであれば、その場にとどまる選択も悪くはありませんが、そうでないのであれば、後は行動するしかありません。
ということで、もしこの投稿を読んで、自分の今の環境に満足ができていないと思ったら、まずは行動してみましょう。先延ばしは人生の毒です。
今はちょっとめんどくさいな……という方がいたら、先延ばしやそのほか人生を変えるための様々な知識についてまとめているので、もしよければそちらもご覧ください。
参考文献
ps
ということで、他の記事はぜひ読んでほしいのですが、読み終わったらとりあえず行動していただけたらうれしいです。