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【読書感想文】世界はいつでも不安定 国際ニュースの正しい読み方(内藤陽介 著)

青のSPと国際ニュース

今回、この本が発売された頃に「青のSP」というドラマが放映されてました。このドラマは、学校内にSP(スクールポリス)という名の警察を配置して、その人が頑張るという定番なドラマで、別にそこは普通なのです。しかし、登場人物が全員アホなんですね。普通の刑事ドラマだと、政府のトップが陰謀を企んでいたり、めちゃくちゃ合理的なモリアーティみたいな犯人がいたりとするのです。でもこのドラマはもれなく全員アホ。動機もしょうもないし、やり方も非合理的、それでも運悪く学校がグダグダ。

よく、日本人は世界のニュースを見るとき、「2大勢力がしのぎを削ってる」とか、「CIAが諜報してる」とか、そのような世界観で語られることが多い。たしかに、大根切りにして見るのは悪いことではないのですが、往々にしてそんな頭のいい人って世の中にはいないんです。

こういう。「上から目線」の世界観で国際ニュースを書いた本が、内藤さんの本で、世の中にはいろんな人がいるんだなというような軽い気持ちで読んでみてください。

アメリカ人コンプレックスで見誤る日本人

日本人って、いつからかアメリカ人へのコンプレックスが強くて、GAFAやIBリーグには天才しかいないみたいな人から、アメリカのエリートが世界を支配してるんだ!みたいな人までいて。どっちも単なる劣等感をどう昇華させるかの次元でしかものを語ってない。

ただ、アメリカ人の実態は国民の半分以上が小学校の理科の知識すら怪しいのがアメリカっていう国なんです。コロナ禍を見てればわかると思います。3億人の、正規分布の端っこの人だけを見てるとだいたい見誤ってしまうのがアメリカという国なのです。

この本では、日本人が崇拝するアメリカのリベラル陣営たちがどれほどポンコツかを書いて、そしてそれがBLMだったりにつながっているという流れを書いてます。例えば、トランスジェンダーのレスラーが女子レスリングで優勝するのが男女平等だ!みたいなことを平気でやるんです。それでどんどん国内の分断を煽っておいて、分断が問題だ!ってやるマッチポンプ。彼らに関しては、また時間があれば書こうと思います。

アジアの真ん中のことを知らなすぎる日本人

アメリカやヨーロッパにコンプレックスを抱く一方で、日本人は中央アジア・西アジアの知識が圧倒的に少ないんです。まず、アラブ諸国とペルシャの違いすらよくわかってない。

それで、UAE(アラブ首長国連邦)に関しても、石油が出るくらいの知識しかない。ちなみにドバイは石油が出ないんです(笑)その程度の雑な理解しかないのに、池上彰さんとかは「アラブ VS イスラエル」みたいな雑な構図でしか語らないから、どんどんひどくなっていく。

でも、考えてほしいんですが、ロシアのすぐ南は中央アジアでありイランなんです。日本が韓国に困ってるように、ロシアはこの国に手を焼いてることは知っておかなければならない。とくに、アルメニアとアゼルバイジャンの「ナゴルノ=カラバフ紛争」に関してはこの本の解説がすごくわかりやすいです

サウジアラビアというヤバい国

アラブ諸国の中で、面積が最もでかいのはサウジアラビアです。ではそのサウジアラビアって石油が出る以外褒めることが一つもない。軍隊も弱ければ政治も悲惨。サウジアラビアは、田舎の豪族が国を治めちゃったみたいなそういう国。石油の出る北朝鮮なんて呼ばれますね。

アメリカは、ぐちゃぐちゃの中東でサウジアラビアと特に仲良くしてるため、日本にとっても他人事ではありません。じゃあ戦力になってくれるかといえばかなり微妙。

日本人はサウジアラビアといえば砂漠とメッカと石油くらいしか知らないので、これを機に学んでみてはいかがでしょうか。

日本人だからこそフラットな目で世界を見れる

スタディサプリの英語講師の関正夫さんは、「外国語を学ぶことで日本語を見直せる」と言ってました。このように、外国のぐちゃぐちゃを学ぶと、やっぱり日本人でよかったなと感じます。

その中で日本がまとまっていられるのはなぜか。皇室があるからです。

宗教が違っても、仕事が違っても、出身地が違っても、結局皇室という存在が共通してるから日本人はまとまってられる。ゆえに、世界の混乱に対して一歩引いた視点から見れるんです。「グローバル化」の世の中、私たちが学ぶべきは英語だけではありません。

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