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書評 241 「神シンキング」

箱根駅伝2代目山の神、柏原竜二さんの著書。意外だが、初の書籍とのこと。アスリートの著作に多い形式で、キーワードを拾いながらコラムを一つずつ書き連ねている。巻末の新谷仁美さんとの対談も興味深い。

自身の大学時代の経験からくる内容が多く、学生ランナーに向けたメッセージとみるとわかり易い。ただ、アスリート全般、さらには一般向けとしても考えや行動の組み立て方などヒントに使えるものとなっている。

箱根駅伝、特に山の5区好きにとっては、2代目山の神がどんな考えや意気込みで練習を積み、箱根当日にはどんなメンタルで走っていたのかを知るのが楽しい。なるほど、と思うことも多いが、ベーシックと言うか当たり前のことをしっかり突き詰めて実行していたことも分かる。あの脅威の山登りも才能だけでなく地道な練習で作られたもので、その苦しさを支えたメンタルも決して特別なものではなかったのだ。

大学駅伝ファンなら手に取りたい1冊。


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