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書評 233 「人類の起源」

発掘された小さな古人骨。数万年前のもの。その人物がどんな姿かたちだったかはわからない。しかし、その小さな骨片からDNAを引き出して、ゲノム分析ができる技術。これが生まれたことで人類拡散の歴史が読み解ける様になった。その解読の成果を素人にも分かる様に、しかも網羅的にまとめてくれている。

進化は一本道ではなく、たくさんの分岐の結果である。混血が多々あったこともわかった。また、アフリカ発祥であることはまず間違いないが、世界へ拡散していった経路も一本道ではなく、分岐もあれば行きつ戻りつもある。

日本人のルーツにも言及されている。縄文人と弥生人は日本土着と渡来人というだけで無い。彼らのルーツは一体どこにあるのか。

そして、終章ではこの研究もゲノムの1%未満の差異を探しているもので、全てホモサピエンスであることには変わりがないことを著者は強調する。

新しい技術で過去を知る。その面白さが分かる一冊。


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