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エンプラのDXを加速させる"三方よし"のプリセールス #SaaSLovers Day6
今年のゴールデンウィークはいかがお過ごしでしたか?
SmartHR PMM(プロダクトマーケティングマネージャー)の佐々木(@kosasaki7)です。
ブログリレー企画 #SaaSLovers の6日目の記事として、エンプラ(エンタープライズ企業)のSaaS導入における課題に対してプリセールスを立ち上げた背景とその役割についてまとめてみました。
プリセールスに限らず、エンプラ市場の開拓を目指す際の考え方や組織体制のご参考いただけますと幸いです。
# SaaSLoversは、1ヶ月間有志でSaaSに関するブログを書く企画です。
今回は22名の参加者の方々に寄稿いただきます。
ニューノーマル時代の到来は、社会全体に大きな変化をもたらし、DX(デジタルトランスフォーメーション)の必要性を加速させました。デジタル技術の活用は、事業環境の変化に対応するだけでなく、企業文化の変革による競争優位性の確立が求められています。
SaaS企業にとってこの流れは、ARR100億円を目指すためのキードライバー であるエンプラ市場開拓への追い風と捉えている企業も多いのはないでしょうか。
SmartHRにおいても、私が入社した3年前からの大きな変化の一つがエンプラとの取引が拡大していったことです。2018年当初はIT企業等のアーリーアダプターが中心でしたが、2021年現在ではアーリー/レイトマジョリティにあたる様々なエンプラのロゴが増えてきました。
エンプラにおけるSaaS導入の難しさ
エンプラがSaaSを導入する上での課題は、ユーザー企業側だけでなく、SaaS企業にとっても同様に多岐に渡ります。
短期的な効率化やコスト削減に留まらず、中長期的な変化に対応し続けられる体制やケイパビリティを構築しなければ、単にSaaSを導入するだけで大きな成果が得られるとは言い難いでしょう。
エンプラがSaaSを導入する際に抱える主な課題としては、
・複数のステークホルダーが関わり、優先順位や合意形成が難しい
・担当者が初めてのSaaS導入経験も少なくない
・これまでのやり方にとらわれないプロジェクト推進が必要
・既存の業務と目指す姿のフィット&ギャップ
・既存の業務を変えていくBPR(業務改革)の実施
エンプラにおけるSaaS導入に求められるのは、単にツールとしての効果だけではなく、DXパートナーとしての信頼が必要となります。
"三方よし"を実現する DXパートナー
PMMとしても、機能と組織の両面からこれまで以上の難しさを実感しており、より解像度を高く解決の方向性を探るためにプリセールス立ち上げプロジェクトを始めました。
その中で見えてきた形が SaaSにも親和性の高い"三方よし"という経営の考え方に基づく役割です。
三方よし
「売り手良し」「買い手良し」「世間良し」の三つの「良し」。売り手と買い手がともに満足し、また社会貢献もできるのがよい商売であるということ。近江商人の心得をいったもの。
買い手よし=ユーザー企業にとって
・ビジネスケース・要件を共に描き、短期的/中長期的な導入のメリットに合意した上で契約できる
・目指すゴールやスケジュールをすり合わせ、導入・運用に際するリスクを低減できる
・中長期的なDXパートナーと併走し、SaaS導入のプロジェクト成功の確度が高められる
売り手よし=SmartHRにとって
・セールス:導入PJマネジメント・要件定義をチームで行い、アカウントプランや関係構築に注力することができる
・カスタマーサクセス:導入前からサクセスに向けたロードマップを描き、プロダクトの活用・定着を円滑に進めることができる
・開発:エンプラが求める要望について解像度の高い情報が得られ、早めの開発検討に動くことができる
世間よし=社会にとって
・DXのベストプラクティスを創り、社会全体のDXを促進することができる
・外部パートナー(SIer等)へのビジネスチャンスや収益が生まれることで、DXの好循環が生まれる
プリセールスの役割と今後の展開
2021年5月より、PMMと兼務の私とSIer・コンサルから新規採用メンバー2名を加えた3名体制のプリセールス組織を正式に立ち上げました。
・事業拡大のために高度なソリューションの営業力強化
・エンタープライズのお客様の導入から運用拡大に向けたプロジェクトマネジメント
プリセールスの役割は、セールスの共同提案オーナーとして、導入フェーズにおけるPJマネジメントや技術的な支援をすることです。
・セールスの商談同行・運用提案
・導入に際するマテリアル整備(要件定義、スケジュール提案)
・お客様のプロジェクトチームや外部パートナーと連携した導入プロジェクトのサポート
・カスタマーサクセスと連携し、導入から運用までの円滑なプロセス進行
・詳細なプロダクト仕様理解と提案・デモへの反映
上記の役割は、プリセールスではなく、セールス担当が対応したり、導入前からカスタマーサクセスが介入するといった方法もあると思います。
SmartHRとしては全社の取り組みを強化しており、アカウント戦略の見直し、セールス組織の再構築、BDR(Business Development Representative)立ち上げ、エンプラCSの体制強化、外部パートナーとの協業拡大、プロダクトの進化等のエンプラ市場の開拓に向けた次のフェーズに挑戦していきます。
PMMとして兼務する身としては、The EnterpriseReady SaaS Feature Guidesにあるようなプロダクトの進化にも貢献したいと考えています。
SIerやコンサル経験が活かせる役割ですので、ご興味がある方はぜひカジュアル面談などでお話できればと思います!