Product Manager Conference 2019 Day1ハイライト
はじめまして。
SmartHR プロダクトマーケティングマネージャー(PMM)の佐々木です。
2018年にSmartHRへ経営企画として入社し、プライシングや新プロダクトの企画などを担当していました。現在はPMMとして、0から企画したプロダクトの一つである「ラクラク分析レポート」という人事データ分析プロダクトのビジネス側の責任者をしています。
▼SmartHRのPMMについては、shige@SmarHRのnoteを参照
SmartHRで実践しているPMとPMMの協業、0→1フェーズの考察などについてnoteで纏めていこうと考えていますが、まずは本日参加した「プロダクトマネージャーカンファンレンス」ハイライトをお届けします。
私が参加したキーノートセッションの範囲内で、SaaS事業に活かせそうな部分のみが記載されていることはご了承ください。
1.ORDINARY PEOPLE, EXTRAORDINARY RESULTS マーティ・ケーガン氏
製品の発見が最も大事である
製品の発見とは、次の重要なリスクに対処し、成功するプロダクトを作ること。プロダクトマーケットフィットに近い概念。
・価値のリスク:顧客がプロダクトに価値を感じ、買って、使ってくれるか?
・ユーザービリティのリスク: 顧客がプロダクトを使いこなせるか?
・実現可能性のリスク:本当に作ることができるか?
・事業実現性のリスク:ビジネスに貢献し、投資に値するか?
プロトタイプを用いた検証が有効であり、アイディエーションやテスト等の詳細は、ケーガン氏著書のPART Ⅳ 成功のプロセスに記載されている。
真のプロダクトチームは、常に顧客に向き合う
ほとんどの会社では、チームが事業に貢献するためにいると考えている。与えられたロードマップを実装するフィーチャーチームになってはいけない。
真のプロダクトチームは、顧客に貢献し、その結果として事業に貢献する。
経営陣がプロダクトチームを信頼し、権限を渡すことから始まる。
プロダクトチームが顧客に価値を届けるための意思決定を行い、PMが重要な役割を果たす。本当に難しい仕事であるが、PMはプロダクトの伝道師になる必要がある。
目標達成を支援してくれるメンターを持つ
Amazon、Apple、Googleは、プロダクトも文化も異なるが、あまり知られてない共通点が一つある:各創業者のメンターがビル・キャンベルという同じ人物ということ。(以下書籍を参照)
リーダーシップとマネジメントの違いを理解し、うまく使い分ける
リーダーシップとは大きな成果に向かって人々を鼓舞すること
・プロダクトビジョン
・プロダクト戦略
・プロダクトプリンシプル
・プロダクト優先順位(ロードマップ)
・プロダクトエバンジェリズム
マネジメントとは目標達成にむけてモチベートすること
・ Staffing(採用、配置)
・ Coaching(コーチング)
・Objectives(目標管理)
普通の人でも、真のプロダクトチームを組成すれば素晴らしい結果につながる
真のプロダクトチームは、アイデアを具現化する際には必ずエンジニアとデザイナーが関わる。異なるスキルを持つメンバーが集まるチームこそが複雑な問題に立ち向かう最も効果的な方法である。
2.LINEにおけるお金とユーザーのジレンマ LINE株式会社執行役員 二木 祥平氏
PMには多様な人格&スキルが要求される
例えるならカメレオン。フェーズによって人格の配分が変わる難しい仕事。
・ビジョナリスト
・プロジェクトマネージャー
・テクノロジスト
・スペックライター
・グロースハッカー
・ビジネスアナリスト
PMはジレンマの回収役
様々なステークホルダーの対立関係を共闘関係に持っていく役割。
PMが機能しないとプロダクトが妥協の副産物になってしまう。
対立関係のジレンマは深堀りしていくと(howを2回くりかえすと)共通の課題に行き着き、かならず解消できると信じる。
PMは様々な職種と話して全ての部署のジレンマを解消していく必要がある。
Ex.メッセージ増やして売上を上げたい(営業)vs メッセージの通知増え過ぎて離脱されると困る(UXチーム)のジレンマ。しかし、顧客に価値を届けたいという本質は同じ。
ジレンマの解消自体がクリエイティブな仕事であり、結果としてプロダクトに競争優位をもたらす
PMの価値とは複合的な情報を持ち判断できること。持っていない情報は意図的に集め、決定の責任を持つ。関係者やユーザーの言うことだけでなくファクトやデータを見て解決策が見えてくることもある。
3.PMにおけるストーリーテリング freee株式会社 岡田 悠氏
ストーリーテリングがなぜ重要か?
新プロダクトをリリースした後、PMとして機能を充実させていた結果、バックログの縮小均衡に陥り、事業撤退の危機になった。新しいプロダクトビジョンを掲げるも、ビジョンが機能せず、大きなムーブメントを起こすことができなかった。
そこで、静的なビジョンをストーリーで語ること取り入れることにした。
ストーリーとは、以下の特性を持ち、人々の記憶に残り、話したくなるストーリーは伝達しやすい。
・動的な筋の展開:広がる
・因果関係:ファクトが繋がる
・主観性:誰かの視点で語られる
その結果、ボトムアップで事業が動き、開発の意思決定もやりやすくなった。またビジョンが機能した結果、事業としても大きく成長していった。
どうやってストーリーを作るか?
ヒーロージャーニー、三幕構成、起承転結などの理論をもとに、シンプルに3つで語る構造を作った。ストーリーには、主人公がいて、何らかの問題を解決する(変容をもたらす)
そしてPMにとって大切なのは、自分が夢中になれる物語を描くこと (Pixer社の引用)
4. コミュニティマネジメント: プロダクトの開発と展開をコミュニティが加速させる 東京大学 FoundXディレクター
馬田 隆明氏
コミュニティは、カスタマーサクセスにおいて有効
SaaSで顧客との長期的な関係づくりが重要な中、製品周辺のコミュニティやサポートも含めてプロダクトという考え方。コミュニティタッチによるサポートコスト削減と顧客満足度・継続率の向上が期待される。
コミュニティは、開発アイデアの源泉であり、プロダクトを成長させる
ユーザーヒアリングには手間と時間がかかるが、コミュニティを活用することで、新機能のフィードバックをより迅速に効果的に行うことができる。また早い段階からユーザーと協創することで、信頼と将来的な期待感にもつながる。
一説では、10年後のコミュニティのROIは10,158%
確立されたコミュニティは模倣されづらく、ネットワーク効果が高い。
コミュニティは銀の弾丸ではない。コミュニティデザインが重要
コミュニティを成功させるのは容易ではない。成功させれば大きな資産。最初は小さく始め、熱狂的なユーザーを集める。(詳細は下記参照)
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