「俺」と「僕」から「わたし」へと

呼び方に困ることが、よくある。

特に初対面の方。「なんて呼ばれることが多いですか？」と質問して、ひとまずその呼び方で話を続けるけど、なんだかしっくりこなかったり。わたしの場合は、仕事なのかプライベートなのか、その線引きが曖昧な出会い方をすることが多いから、余計そうなのかもしれない。

でも、呼び方にしっくりこない原因のひとつに、わたしと出会っている場面と、その方がよく呼ばれている名前とが噛み合っていないことがあるはずで。いわゆる分人が場面と噛み合っていない、とも言える。たまにそういう経験、ないですか？

でもそれくらい、ヒトは自分を使い分けている。
意識してか、無意識でかは別として。

では自分はどうか。
自分は自分をどう呼び分けているか。
その一人称の呼び方が、少しずつ自分の輪郭をつくっていく。

ビジネスの場ではもちろん「私」なのですが。
仲のいい同世代なら「俺」だし
年上、年下の友人には「僕」で。
その延長でnoteも「僕」と、今までは書いてきた。

ただ最近、このあたりもなんだか、しっくりこなくなってきたのだ。
特に文章において。年齢のせいだよね、きっと。

「俺」と呼ぶには、どうにも圧がある気がする。
「僕」のままでは、甘えがあるのではと、自分でまだ納得できない部分がある。
「私」では少し硬すぎる。となれば「わたし」だろうか。

実は今回の文章から、一人称を「わたし」に変えてみました。
まだ少し違和感はあるけれど、このまま書き続けていきテンポの良い文章が書けたらなと思う。

もちろん、日常では場面に合わせて「俺」も「僕」も「私」も出てくるだろう。
それを全て捨て去って、「わたし」に統一するという話ではなく。

自分をカテゴリに分けて整理する。文章の時のスタイルを作る。
そういった準備も「伝える」ためには必要なんだろうなと思った次第です。

というのも、日々の暮らしで感じたことを、出会った人に対話の中で伝えることと、改めて文章にして、未だ出会ったこともない人にも伝えることでは、技術が全く違うからで。

今までの自分を再度理解し、整理する。
その上で、文章を書く自分を新たにつくりあげる。

それが今の自分に必要なことだったようで。

これからも書くことで「わたし」になろう。

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