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言葉を理解したいから、文章を書いている。

日々、文章を書いていながら「なんで書いているんだろう」と、自問することがある。
もちろん明確に、何かを知らせたいからHPのブログ機能やSNSを使って告知することもあるが、今日まで書き続けているnoteは決してそうではない。
結果として仕事に活きてくることもあるが、仕事を目的とした文章ではないのだ。

ではなぜ書くのか。
それは、言葉を理解したいからなんじゃあないかなーと、最近ぼんやりと思っている。

わたし自身、いや今回はあえて、僕自身、いろんなことに対してニュートラルでいたいと思いながら過ごすことが多い。これは意見や主義を持ちたくない、というわけではなく、柔軟に物事を理解したいという意味で。唯一の正義なんてなく、世界共通の価値観も存在しない。だからこそひとつの物事、ひとつのいのちに向き合いたいと思っているし、そのためにはニュートラルで、やわらかい頭を持っていたいと思っている。というのが僕の主義だ。いわゆる、多様性を大事にしたいってやつ。

暮らしにおいて柔軟に物事を理解するには、相手がどんな意味で、どんな背景でその言葉を遣っているのかを知ることが重要だと思っている。もっと言えば、どんなテンションで、どんな表情で、どんな姿勢で…と見るべきポイントは多いけれど。
ただ、会話やメッセージのやり取りの場合は、なるべく円滑な方がいい。いちいち「それってどんな意味?」「どういうつもりで言ってる?」と確認していては話が進まないし、ストレスが溜まる。そんなことをしたいわけではないのだ。

だから日常から、言葉に対する理解を深めておきたいと思っている。自分が遣う言葉も、世間に流れている言葉も。世間に流れている言葉については、インプットの質と量を上げればいい。でも自分が遣う言葉は、インプットだけでは理解できない。その時の感情から、思いがけず出てくる言葉もあったりするから油断ならない。

その言葉で、相手は何を伝えたいのか。
その言葉で、相手を傷つけてしまってはいないか。

その判断の速度と精度をあげるため、言葉をもっと理解したいのだ。


言葉には引力があると思っている。
その言葉から連想される音や匂い、肌触り、温度、味、色味、いろんな情報が記憶とリンクして、自分を、相手をどこかへと引っ張っていく。それもまた人それぞれだ。

この“引力“にも気をつけたいと思っている。
言霊とも言えるかもしれないけれど、僕には引力の方がしっくりくる。

こと‐だま【言霊】
古代日本で、言葉に宿っていると信じられていた不思議な力。発した言葉どおりの結果を現す力があるとされた。

デジタル大辞泉 「言霊」の意味・読み・例文・類語

言葉自体に意味や力が宿るというよりは、多くの人が共通のイメージを抱く言葉には似た記憶が個人の中にあり、その記憶が言葉と結びつく、という感じ。結果はあくまで個人に因る。

つまり、よい言葉を重ねて、よい記憶も連ねれば、よい引力が働いていく。
そしてわるい言葉も同様に。

だからこそ、やはり言葉を理解したい。
普段何気なく遣っている言葉にもよい/わるいは隠れている可能性もあるはずだ。

その言葉を理解したいという気持ちから、文字通り手探りで文章を書いている。

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